こちらのアイテムは2026/9/13(日)開催・文学フリマ大阪14にて入手できます。
くわしくは文学フリマ大阪14公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

風と娼婦

  • え-74 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • かぜとしょうふ
  • 河内レオン
  • https://leon-no-hondana.com
  • 【あらすじ】
    インターネットなんて言葉は存在すらせず、個人向けの携帯電話でさえまだまだ夢物語であった1991年、通っていた大学を休学し、蜃気楼のような好景気に湧いていた日本を離れてユーラシア大陸横断の旅に出ていた主人公の「俺(タカ)」は、旅の終焉に立ち寄ったタイ北部の古都チェンマイでユピンという名の女性に出会う。ただ、その出会いが普通のそれと違っていたのは、二人が出会うことになったその場所が我が身を切り売りする娼婦と男の欲望が交差する娼家だったからであった。

    日本への帰国が目前に迫った3月の暑い日、トゥクトゥクと飛ばれる3輪タクシーの運転手に半ば強引に連れて行かれた娼家でユピンを一目見た瞬間に心を奪われたタカは、娼家の下男から事を娼家で済ませるのではなく宿泊先の部屋へ女を連れて帰るように言われ、戸惑いつつも二人で娼家を後にする。思いがけずチェンマイの街で一日を一緒に過ごすことになった彼はユピンと打ち解けようと懸命になり、つたない会話を続ける中で彼女が家族を養う為にタイとビルマの国境を越えてチェンマイへ出稼ぎにやって来てたタイヤイ(シャン族)の娘であることを知る。そんな厳しい境遇の中でも美しい笑顔を見せる彼女に徐々に惹かれていくタカだったが、その夜、その気持ちを確かなものに変える光景を目にすることになる。それは二人が夜店の連なるチェンマイ名物のナイト・バザールをそぞろ歩いていた時のこと、通りで物乞いをしていた不具の男の前で立ち止まり、自分の財布の中から取り出した一枚の紙幣をその男にそっと握らせたユピンの姿であった。そんな振る舞いを目の当たりにしたタカは、社会の底辺で暮らす彼女が心の余裕を失っていないことに驚愕し、彼女を自分の手で幸せにしたいという強い思いが芽生える。翌朝、ユピンとの別れを前にして心の昂ぶりを抑えきれなくなったタカは「愛している」という言葉を思わず口にしてしまうが、彼女が去り際に残したのは「あたしは夜の商売女。あなたはあたしの上をただ通り過ぎていく風なのよ」という言葉だった。後ろ髪を引かれる思いで日本へ帰国したものの、ユピンのことが忘れられず、自分は風で終わらないと決意したタカ。彼は再びチェンマイを訪れて彼女との再会を果たすが、二人の運命の前に立ちはだかっていたのは、個人の力では変えようのない厳しい現実であった。(本作品は実際にあった出来事に基づいて描かれた小説です)

    ※この作品は個人サイト「レオンの本棚」にて無料でお読みいただけます。2026年9月13日(日曜日)に開催の「文学フリマ大阪14」のブースにカンパ用の募金箱を設置しますので、本作を事前にお読みになって作品を気に入っていただいた方の中で会場へ来場予定の皆さまには、是非ともカンパへの協力をお願いしたく思います。また、その際に作品の感想なども聞かせていただけるのならとても嬉しいです。河内レオンは当日、ブースに着席しておりますので、どうぞ、遠慮なくお声がけください。

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。