こちらのアイテムは2026/9/13(日)開催・文学フリマ大阪14にて入手できます。
くわしくは文学フリマ大阪14公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

オランダ珍道中(フォトエッセイ)

  • け-23〜24 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
  • おらんだちんどうちゅう ふぉとえっせい
  • 旭堂南湖
  • 書籍|A5
  • 28ページ
  • 500円
  • 2026/8/1(土)発行
  • 旭堂南湖の珍道中シリーズ第5弾(お遍路、タイ、イタリア、スペイン、オランダ)


    初めてのフォトエッセイ爆誕!
    しかも、フルカラー!


    初めての海外一人旅はオランダ・ベルギー旅行でした。
    美しいオランダの風景と、クスッと笑える楽しいエッセイ。

    試し読み!

     三週間の一人旅。エコノミークラスですから席は狭い。

     大阪からオランダまで十二時間。

     結構遠い。

     右に座ったのが金髪の若い娘さん。

     左に座ったのが日本のおじさん。

     このおじさんが喋りかけてくるんです。

    「どこに行くんだ」

    「オランダです」

    「ほう、一緒だ。奇遇だな」

     オランダ行きの飛行機ですから、当たり前やと思うんですが。

    「どれぐらい行くんだ」

    「三週間です」

    「何の仕事だ」

     どんどん質問してくるんです。しかし、「講談師です」と答えると、「講談一席やってくれ」と言われるのは確実です。のんびりしたいので、曖昧に答えようと思いまして、

    「人に言えるような商売じゃありません」

     すると、ますます興味を持ちましてね。 

     のらりくらりと適当に返事をしておりますと、いつの間にか、物語が出来てしまいました。

    「私は寿司職人でしたが、この度、恋人に振られたのをきっかけに、長年の夢であった画家になる為に、ヨーロッパへ修行しに行く」

     こんな話になってしまいまして。

     実は、このおじさん、オランダで寿司屋を経営していて、丁度、三日前に寿司職人が辞めてしまって大変困っている。

    「是非、うちの店に来ないか。実はな、わしの兄がオランダで画家をやっているんだ。若いうちはなかなか喰えんから、寿司屋でアルバイトをして、休みの日に兄のところで絵の修行をすれば良い」

    「いい話ですね」

     と言ったんですが、よくよく考えますと、私は画家志望の寿司職人じゃないんですね。

     丁寧にお断りしました。

     そんなお喋りをしている内に、オランダへ到着。

     空港から可愛い電車に乗って、一番繁華なアムステルダムへ。

     初日の宿だけは、日本からインターネットで予約していきました。イングランドホテルという名前。オランダに行くのに何でイングランドかわかりませんが、安かったのです。

     ところが、ホテルに着いてビックリ。予約が出来ていない。

    「日本人です。予約はありませんか?」

    「ありません」

     あちこち電話してくれて、

    「アメリカンホテルなら空いてるわよ」

    「ちなみにそこは安いホテルですか」

    「高級ホテルよ」

    「……」

     予算が足りないので、近所のホテルを紹介して頂きました。

     小さなホテルの地下室。客室というよりも、倉庫を改装したようなところ。

     それでも宿無しになるよりはましです。

    (続く)

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