はじめに【試し読み!】
初めての夢洲、万博のステージに立つ 、母と万博、一九七〇年の大阪万博、息子と万博、バーラト館の土産物屋、オランダ館のクーラー、ドイツ館のサーキュラー、ルーマニア館の塩サウナ、フィリピン館のAIフォト、ピンバッジ交換、うどん打ち体験、万博おばあちゃん、残念石のトイレ
サウナ体験記、くら寿司体験記
序文
超時空シアター
イタリア館
EARTH MART
いのち動的平衡館
国際赤十字・赤新月運動館
中国館
インドネシア館
TECH WORLD
ポルトガル館
コモンズB館
タイ館
まとめ
当日登録センター、東ゲートの十一番レーン、氷のクールスポット、Matsuriで見た花火、団体休憩所西、森になる建築
あとがき【試し読み!】
万博が閉幕して、随分と時が流れました。
東ゲートから入場し、お辞儀をしているミャクミャク像の写真を撮っていた日々を懐かしく思います。
結局、私は会期中に三十回も夢洲へ通いました。今ではどこにどのパビリオンがあったのか、地図がなくても思い出せるほどですが、最初からそんなに熱心だったわけではありません。
開幕前はおそらく行かないだろうと考えていました。
五月半ばに行われるポップアップステージ南のイベント「大阪ウィーク~春~」で、講談の仕事をいただいたので、その日の出演を終えた後、少し会場を歩けたらいいなあ、くらいに思っていたのです。
四月十三日に万博が開幕。ニュース映像では、大混雑の会場や、三百五十億円の大屋根リング、巨大なパビリオンなどが映し出されていました。そこで知ったのが、会場内にサウナがあるという情報でした。なんと万博の入場券があれば、無料でサウナに入ることができるのです。私はサウナが好きなんです。
また、個性的な建築物を見るのも好きですし、自分が出演する舞台の下見も兼ねて、一度行ってみようと思い立ちました。
さらに、万博のために大阪市民は一人あたり五万円を負担しているそうです。行っても行かなくても負担しているなら、行った方がいいんじゃないか。大阪市内で万博が行われることは、少なくとも半世紀はもうないでしょう。そう考えて、開幕翌日の四月十四日、三万円の通期パスをオンラインで購入しました。
初訪問は四月二十二日。事前予約のやり方もわからず、とりあえず行ってみました。大屋根リングは想像以上の大きさでした。広い会場内をうろつき、結局、舞台の下見もせずに帰宅。五月に入り、二日連続でサウナの予約が取れ、万博三回目にしてようやく、
「万博、面白いなあ」
と思うようになってきました。四回目以降、七日前予約や三日前の空き枠先着、当日予約のコツを掴みました。
こんな感じで始まった私の万博通い。まさか三十回も通うことになるとは夢にも思いませんでした。
第四版となる本書では、万博が閉幕した今の視点から加筆修正を行い、当時の体験を思い出としてまとめています。あの暑い夏を、一緒に振り返っていただければ幸いです。
今でもふとした瞬間に思い出す光景は、いくらでもあります。
想像よりはるかに大きかった大屋根リング。
東ゲートで流れる音楽。
正座したミャクミャク。
どこまでも続く行列。
ブルーインパルスを見上げる大勢の人々。
まとわりつくユスリカ。
救急車のサイレン。
日陰で休む人々。
「静けさの森」で聞こえた蝉の声。
アンドロイドが踊っていた「いのちの未来」。
靴を脱いで部屋に入るダイアログモード。
思った以上に揺れなかった「アニマ!」の床振動。
日本館で触った火星の石。
パソナ館の空飛ぶ手術室。
大阪ヘルスケアで出会った二十五年後の私。
二十五年後の大阪を舞台にした人生ゲーム。
「世界のはじまりの声」は赤ちゃんの泣き声。
いつも予約画面の一番上に表示されるアラブ首長国連邦館。
トルクメニスタン館のアラバイ。
韓国館の二〇二五年の思い出映像。
オーストリアのキャラクターの名前は「赤白赤」。
誰も『百年の孤独』を読んでいなかったコロンビア館。
真っ赤で鱗のようだったシンガポール館。
ラフカディオ・ハーンの初版本が置いてあったアイルランド館。
ルクセンブルク館のハンモック。
「普通の滑り台ですよ」というクウェート館のアナウンス。
チェコ館の美しいウランガラス。
石破総理(当時)が描いたオバQの落書き。
生中継のモニター越しに手を振ってくれたチェコのおじさん。
チュニジア館の仮面の映像。歌声に圧倒されたハンガリー館。
おもちゃで遊んだセルビア館。
最後にオープンしたネパール館。
滋賀県の「阿吽」の飛び出し坊や。
鳥取砂丘の宝探し。
被爆八十年の展示は八月六日の広島県。
水上ショーで炎が上がったときに感じた熱。
税込五十五万円の鍋島焼のミャクミャク。
税込百六十五万円の漆のミャクミャク。
「宴」で買ったソフトクリーム。
シャインハットで見た「奥河内音絵巻」。
虹色の繭のようなアート作品。
万博ポーズの前で撮った母の写真。
写真を撮ろうと言っても嫌という息子。
中央線の運転席にへばりついていたミャクミャクのぬいぐるみ。
台風で外された万国旗。
ゲートから駅まで歩く大回りの帰り道。
夜空に輝くドローンショー。
最後にゲートを振り返ったときの名残惜しさ……。
あんなに暑かったことは忘れて、ただただ楽しかった記憶ばかり。 (後略)