私は毎月1回「朗読専用劇場rLabo(アールラボ)」のオープンマイクで自作の随想や作家の作品を朗読させてもらっています。その朗読原稿を半期に1度、小冊子にまとめたのが「朗読随想集」です。
「ボンタンアメのおじさん」をお買い上げくださった方から次のような温かいメールをいただきました。嬉しくって飛び上がりました。
先日行われました文学フリマ大阪13にて、“かぶとむし”様の朗読随想集1『ボンタンアメのおじさん』を購入しました。私は“かぶとむし”様に「この中ならおすすめはどれですか。」と尋ねたのですが、その節は穏やかにご対応いただきありがとうございました。
『ボンタンアメのおじさん』、早速読ませていただきました。収録されていたどの物語も、ほのかな哀愁とほっと一息つけるような優しさとに溢れていて、心に染み入るように読むことができました。
特に印象的だったのは「下がり眉毛のライオンとシャンプーハットをかぶった招き猫とマシンガントークのおじいさん」です。風景描写の文章がお上手で、鮮やかにイメージしながら読むことができ、頭の中が賑やかになりました。登場人物の台詞には京都の口調が効いていて、小気味良い感じがしました。(ひとくちに京都とくくるのは失礼な話かもしれませんが、私は京都どころか近畿の人間ではないので区別が付いていません。ご気分を害したらごめんなさい。) 最後のシメの一文も、話の雰囲気を整えるピリッとした読み応えがあり、総じてとても面白く読むことができました。
本の冒頭、“かぶとむし”様は定年後の居場所の無さに対して感じた不安について書かれていましたね。私は、父が数年前に定年退職いたしました。父もしばらく、会社という社会と繋がる居場所を無くし、「これで楽になった。何でもできるぞ。」と嬉しそうな反面、結局やることがなくて手応えの無さそうな時間を過ごすことが増えていたように記憶しています。そんな父も今は興味を向けられることに新しく出会って充実している様子ですが、“かぶとむし”様が書いていたご自身の様子と父の姿が何となく私の中で重なってしまい、不躾ではありますが感情移入してしまいました。
ご両親の介護のことなど、今後の近い将来を考えると不安は尽きないかと思いますが、アールラボのオープンマイクに加え、朗読随想集の編纂や文学フリマへの出店が、どうか”かぶとむし”様にとって今後の心地良い居場所のひとつになると重畳です。
ありがとうございました。
表題作「ボンタンアメのおじさん」 2才だった息子は保育園に行く途中、駅を掃除しておられるおじさんと出会いました。その後、息子はおじさんに会う度にボンタンアメを一粒もらうようになりました。それから2年経った11月のある日、息子はおじさんからボンタンアメを箱ごともらいました。そのわけは・・・。
「三本のものさし」 定年退職の日を1か月後にひかえ、私は定年後について考えました。
「物がなくなったときに読んでください」 退職後直面したのは両親の衰えと介護でした。
「下がり眉毛のライオンとシャンプーハットをかぶった招き猫とマシンガントークのおじいさん」 冒頭で紹介した方はこの作品を気に入ってくださいました。ありがとうございます。
「一枚の張り紙」 鳥羽のある旅館の露天風呂の張り紙、薬局の定休日を知らせる張り紙、銭湯の入口に張られている今月のイベントカレンダー。3枚の張り紙を見て思ったことは。