「お前、結婚しろ」
ある日、唐突に降ってきた父王からの言葉に、姫は一言こう答えた。
「お断りさせていただきます」
一方、王子は知らない間に兄の代理で結婚を押し付けられ、ついでに王位継承権まで押し付けられたことを、父王からではなくなぜか従者から雑談ついでに聞かされていた。
「世の中何でも俺に押し付けとけば解決するって訳じゃねぇんだよ!!」
かくして政略結婚の舞台に上げられた王女と王子はそれぞれ叫ぶ。
「家出してやるっ!!」
腹心のメイドを引き連れた王女と、腹心の従者二人を連れた王子はそれぞれ国を出奔。
そんな二人は両国の狭間にある国で無頼漢に絡まれていた娘を助けることになったのだが、その娘は敵国の王太子に命を狙われた、敵国の正統王位継承者で……!?
かくして二人は互いが政略結婚の相手と知らないまま、敵国の御家騒動に巻き込まれることに。
『結婚』って言葉に、乙女は無条件でトキメくと思っているの? それってとってもナンセンス!!
歪んだ姫様と苦労性王子のドタバタファンタジー、はじまりはじまり☆