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腐葉の家族・ゆきさき

  • お-20 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • ふようのかぞくゆきさき
  • 芦田芋助
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 118ページ
  • 700円
  • https://twitter.com/jc_amon
  • 2023/5/21(日)発行
  • 「閉ざすのも、ひらくのも、そうして関わるだけだから」

    『腐葉の家族』

    身体が動かなくなった。

    それは、私の心が身体を動かす力を失った、ということだった。


    無理がたたって人生が途切れ、すべてを諦めて自室に閉じこもる。

    階下の家族の生活や、街の生きるのを音に聴きながら、

    未来などなく、過去ばかりを思い返して、

    家屋とともに朽ちてゆくまで、閉ざし尽くした果ての景色とは。


    『ゆきさき』

    おそるおそる車内の様子に目を向けてみる。

    隣や正面に誰も座らなかったのは見なくてもわかっていた。

    しかし、これはいったいどういうことか。

    いくら車内を見回してみても、わたし以外に乗客がいない。


    混雑するはずの電車に、どうしてかひとりきり。

    奇妙ではあるが、不安に思うことなどなにもないはずだった。

    人との接触に怯えてばかりいるのだから、

    せっかくのひとときを楽しんだらいい。


    車窓から眺める街の光景に、やがて彼女はなにかを見出す。




    心象が現出する双極の怪奇幻想リアリズム2篇収録。


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