こちらのアイテムは2024/5/19(日)開催・文学フリマ東京38にて入手できます。
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サシノミ2

  • 第一展示場 | N-06 (評論・研究|食文化・料理・グルメ)
  • さしのみ2
  • CRAFT DRINKS
  • 書籍|A5
  • 62ページ
  • 1,200円
  • https://craftdrinks.thebase.i…
  • 2024/3/23(土)発行
  • 今回の対談は…
    英国ビール消費者団体会員に聞くビール文化とパブ、場の意義 CAMRA終身会員 目賀田修一さん
    カメラを通して見つめてきたクラフトビールシーンの10年間 Brewfilm.jp 映像作家 奥村剛さん

    サシノミとは・・・
    私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。
     様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。
     眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。
     私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。
     クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。
     海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。
     本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。
     クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。

    目次
    はじめに サシノミとは 3
    CAMRA終身会員 目賀田修一さん 6
    CAMRAとは 6
    Real AleおよびCask Conditioned Beerとは 6
    CAMRAの実態 7
    消費者団体としてのCAMRA 10
    イギリスの飲酒文化 12
    今パブにあるお酒 15
    イメージと生々しい現実 17
    気づけばイギリスビールを見かけなくなった 19
    パブの使い方、過ごし方 22
    社交場としてのパブ 23
    日本のパブ、コミュニティと場 26
    熱量、語るということ 27
    通いたくなるパブ 29
    Brewfilm.jp 奥村剛さん 32
    クラフトビールを飲み始めた頃 32
    映像で振り返る10年 34
    ここ10年の非アメリカのビール事情 40
    マーケットと認識の変遷 43
    IPAを考える 46
    ホップの認知 48
    トレンドと値段 50
    クラフトビールシーンは盛り上がっているのか 53
    変わらないこと、変わったこと 55
    シーンの裏側、紆余曲折 57
    時代を作ったブルワリー60
    あとがき 62

    2024年3月23日 めしけっとにて初版発行

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