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サシノミ

  • 第一展示場 | N-06 (評論・研究|食文化・料理・グルメ)
  • さしのみ
  • CRAFT DRINKS
  • 書籍|A5
  • 80ページ
  • 1,200円
  • https://craftdrinks.thebase.i…
  • 2023/12/31(日)発行
  • サシノミとは・・・
    私どもは2015年の立ち上げ以来文筆活動をしており、2019年より出版活動を行って参りました。日々飲み屋や自宅で酔っ払いながら、自分というフィルターを通して見えた世界を綴り、クラフトビールと呼ばれる何かに輪郭を与えようと必死になっておりました。それ自体は特に問題は無いのだけれども、一つ悩ましい問題に突き当たったことをここ最近強く感じます。
     様々なことを調べ、考えていくと必ず「歴史的経緯」という、形は無いけれども確実に私たちに影響を与えているものがあることに気付かされます。平たく言えば、恐らくコンテクスト(文脈)ということになるのですが、およそ自明だと思われていることもかつてそうではなかった時代があり、それが何かのきっかけで変化し、転換しているのを知ることはとても意義があることだと思うようになりました。
     眼の前の一杯が五感で美味しいと感じるのは事実として、それを「美味しいと感じさせる心的、文化的前提」が何によって構築されているのか。クラフトビールなるものがなんとなく良きものとされる根拠は何か。地ビールはいつクラフトビールになり、内包される意味はどう変化したか。たとえばこんなことを考えるのです。
     私自身も社会を構成する一部であり、私というフィルターを通して現出する世界は社会を示すと考える一方で、部分が全体をどこまで正確に示すかについてはあまり自信がありません。私がこれまで書いてきたことは妥当性のあることだと今でも信じて疑わないけれど、それは私という名のフィルターの癖、偏りが多少なりとも含まれるはずです。そこに味があると言われればそれまでだけれども、異なるフィルターを通した時その結果は自ずと異なると理解しておかねばなりません。同じものを見て飲んで感じながらも、全く違った見解を持つ人がたくさんいます。「クラフトビール」という語が持つ意味は各人の持つ今日までの経緯によって異なるというわけです。
     クラフトビールは日々の愉しみであったり、ビジネスであったり、社交の道具かもしれません。それが何であろうと良いのですが、しっかりと向き合った人の強い想いは他者を巻き込み、潮流の一滴としてシーンに対して多かれ少なかれ影響を与えていると思います。自分自身の興味関心を深掘りしていくこととは別に、その時々に人々が持った想いに何らかの形を与えて残すことに意味があるような気がしています。
     海外の国からやってきた借り物の言葉や感情ではなくて、私たちがその当事者として真剣に思ったこと、それは名もなき市民のことであるから見過ごされがちだけれど、いえ、だからこそ、残しておかねば振り返ることも出来ず、迷子になってしまうことでしょう。いつ役に立つかは分からないものだけれど、必要になった時「あの時、こうだったね」と言えないよりは言える方がずっと良い。ただただそう思います。
     本書「サシノミ」という企画は私とは異なる視点、異なる立場から眺めたクラフトビールシーンを記録するものとして立ち上げました。クラフトビール関係者はもとより、ビールを愛する一般の方も対象としてCRAFT DRINKS代表の沖が乾杯を通じて様々な角度から話を伺い、それを対話という形で記述していきます。クラフトビールという現象の過去から現在、現在から未来へと変化していく様態に輪郭を与えることが出来たらと願ってやみません。また、対話を通じて浮き彫りとなったクラフトビールに関する視点、論点を整理し、クラフトビールの新たな側面を模索していく試みとしても位置付けています。
     クラフトビールに関する本だと言いながら、ビールの紹介もなく、ただただ酔っ払いたちが飲み屋で熱く喋っているだけの本ですが、そういう現場にシーンの本質の一端があると私は思います。クラフトビールはみんなのものだから。

    目次

    目次
    はじめに サシノミとは 4
    ビアスタイル21 代表取締役社長 別所弘章さん 7
    00年代のシーン、ガージェリーの誕生 7
    ビジネスモデルの構築 12
    品質にコミットする 13
    エチゴビールへの売却 14
    飲食店専用にした理由と価格、時代の空気 17
    直販と慣習、しがらみ 18
    取引の形態 20
    展示会には出ない理由 22
    地ビールからクラフトビールに変わる頃 25
    ブランドの存続、後継者 26
    コロナ禍での経営 29
    リブランドの必要性と家庭用缶ビール 31
    ブランドを育てる大変さ 33
    語りの余白 35
    神は細部に宿る 38
    クレームがほぼ無い理由と距離感 41
    けやきひろばビール祭り責任者 鈴木一紀さん、中村薫子さん 47
    けやきひろばビール祭りの歴史と成長 47
    快適さと地元との関係 51
    けやきひろばが大事にしていること 54
    出店ブルワリーの選定と多様性について 56
    ビール祭りに来てもらうためにしている事 59
    ビール以外のお酒 62
    すぐに諦めない、常に試行錯誤 64
    ビール祭りの持続可能性、時代の流れ 66
    コロナ禍という特殊期間 69
    実は少ない運営者 70
    けやきひろばに来る人 71
    定点観測して見えてきたこと 73
    これからのけやきひろばビール祭り 74
    続けるということ 76
    あとがき 79

    2023年12月31日 コミックマーケット103にて初版発行

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