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主人の傷が癒えるまで

  • F-05 (小説|BL)
  • しゅじんのきずがいえるまで
  • きよにゃ
  • 書籍|A5
  • 54ページ
  • 400円
  • http://kiyonya.xii.jp/freo/
  • 2019/11/24(日)発行
  • 俺に体を嬲られて、それでも俺を慕うと誓ってくれるか

    自傷癖のあるα主人×彼を慕うβ使用人

    【あらすじ】
    失敗を重ねる僕を、広い心で雇ってくれるキース様。彼には自傷癖があった。ある日休みをもらい、キース様に贈り物を買った僕は、渡しに行った先で彼が恋人と睦みあっている場面に遭遇してしまう。
    オメガバース設定使用の主従BL。

    【お試し読み】

    「消毒させて頂きます。染みると思いますが、我慢して下さい」

    「……っ!」

     ビク、と主人の体が動いた。出来たばかりの生傷には荒いくらいに、消毒液を含ませた脱脂綿を押し当てた。化膿止めの薬を塗り付け、ガーゼを当てて包帯で腕を巻く。

    「……理由を尋ねないのか」

     キース様がボソリ、と呟いた。自分で自分を傷付ける理由を、今まで散々聞かれてきたのだろう。さっきまでは、こんなことをやめさせなければ、と思っていたのに、口から出たのは彼を甘やかすような言葉だった。

    「聞きたいです。でも、キース様にはなにか悩みがおありなんだと思います。あなたは優しい方です。他人や物にあたらないから、こんなことをされる」

    「買いかぶるな」

     ハッ、と自嘲される。信じてもらえていないのだ。さらに近づき、怪我をしていないほうの左手を握った。座っていても、キース様のほうが背が高いから、見上げる格好になる。

    「本当はずっとおそばについて、こんなことをされるのを止めたい。でも、それは監視と同じです。あなたが傷を作られるのは悲しいけれど、自由でいて欲しい。キース様が自分を壊すと、僕の胸も痛いことだけ覚えて下さい」

     心配なんです、と付け加えて手を離すと、驚いたような顔をされた。そうだろう、新米の下男に説教をされたのだから。こんな生意気な口を利いたのだ、また新しい屋敷に移らないといけないかもしれない。

    「出過ぎたことを申しました。フランさんが、医師を呼んでくれると思いますから……」

     部屋を出て行こうとすると「カイ」と声が掛かった。

    「ありがとう」

     耳を疑って振り向くと、口を尖らせたキース様がいた。

    (礼を言われた。……クビじゃないのか?)

    【お試し読みここまで】




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