『試行錯誤』は読む/書く人々の試行錯誤のための実験室です。
文芸に新しい視点をもたらす著者のエッセイ・批評・小説を集めています。
各連載は基本的に読み切りのため、どの号からでもお読みいただけます。
「日常の謎が謎のままにこの世界に存在していると感じられれば、もうそれで満足なのだ。そして、そのことは長い小説を中盤まで読み、その世界が立ち上がってしまえば満たされて、途中で読むのをやめてしまうこととも通じている。/謎は謎のままでも十分に意味がある。謎は解けなくてもいい。それは対象を探究することの放棄ではない。そもそも謎がすべて解けてしまうなどということは現実世界ではなかなかありえない。だから、ある部分では謎が謎のまま残っている。謎を謎のままにしておくことが、むしろ対象への興味というものを持続させもする。だとしたら、その姿勢こそが対象の探究のあるべき姿であると言えるのではないか。 」(巻頭言「謎を謎のままに」より)
定価 1,000円+税
文庫判86頁、並製本
表紙用紙:上質紙110kg 、本文用紙:上質紙70Kg
発行年月:2025年11月
発行所:un poco / 代わりに読む人
発行部数:350部
移り住んで年数が経っても、大阪弁が話せるようにはならないと感じている著者は、同じ移住者の谷崎がどのように言葉を身に付け、小説まで書いたのか気になって『細雪』を開いてみる。
蓮實は「物語」自体を批判しているわけではない。小津安二郎やジョン・フォードを論じた著書を読みながら、蓮實が「物語」をどのように機能させているかを明らかにする。
当初は紳士・好男子と形容されていた実業家の俊男が悪人になっていた。失われた途中の号で一体何があったのか、想像をめぐらせる。
物理学者の中でも、なんでも屋になることが定めの「実験屋」である著者は化学者の友人とともにレッドブル・ボックスカート・レースへの出場を目指す。さて結果はいかに!?
「読むと肩こりが治る」小説を目指す「私」に思いもよらぬオファーが舞い込む。あるはずのないことを考えることの先にあることとは。失敗が導く連作「読むと肩こりが治る小説」第一作。