学問は旅だ。
問いを立て、解き明かし、答えを導き出す。
でも、その答えがいつも予想通りのものとは限らない。答えを求めて、思ってもみなかったところに飛び出すことがある。
「民俗学の父」と呼ばれる柳田國男も、民俗学へと辿りつくには、長い長い旅路をたどった。
はじめ、彼は文学青年だった。和歌を学び、恋の詩に青春を捧げていた。
やがて彼は農政学を学び、官僚となって、農村の貧困問題に心血を注いだ。
そして、柳田は三十歳を過ぎて、ようやく民俗学へとたどり着く。
彼の経歴をちょっと見たくらいじゃ、彼がなぜ民俗学に辿りついたのかなんてわからない。
そして、それはきっと、柳田國男本人もそう感じているんじゃないか。
文学に青春を捧げていたはずなのに、農政学に心血を注いでいたはずなのに、なぜ民俗学になんて行きついたのか、本人が一番不思議に思ったかもしれない。
旅路の果てに何があるかは、旅路を行く本人にもわからないのだ。
だから、学問は面白い。
だから、人生は面白い。
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