三国支配を実現し、安定した栄華を誇る今川家に生まれた氏真は、武芸や和歌に長け、知的で無益な争いごとの嫌いな少年だった。“海道一の弓取り”と呼ばれる父・義元を桶狭間の戦いで失い、惣領として否応なく戦う道に飛び込んでいく。乱世にあって、男として人間として惣領としてどう生きるか。悩み苦しみながらも己を貫いて生きた人間氏真の姿を描く。
1968年、福岡県北九州市生まれ。2001年、「歳三 往きてまた」でデビュー。著書に「新選組藤堂平助」「獅子の棲む国」「五稜郭を落した男」「総司 炎の如く」「天狗照る 将軍を超えた男 相場師・本間宗久」など。2018年、河井継之助の生涯を描いた「龍が哭く」で、第6回野村胡堂文学賞を受賞。