1802年に出版された「東海道中膝栗毛」は、弥次郎兵衛と喜多八の、江戸から大坂までの旅の道中を描いた滑稽本として知られる。
実はこの2人、その後も旅を続けている。
作者の十返舎一九は、主人公たちの旅を継続し、金毘羅参りと松島(厳島)詣での後、中山道を通って江戸に帰るまでを、20年ほど出版し続けた。このシリーズは読者に受け、十返舎一九は初の職業作家であり、ベストセラー作家となった。
本書は、あまり知られることのない「続膝栗毛」の『金毘羅参詣続膝栗毛』を複製し、注釈をつけた1冊。
行く先々の風俗を交え、面白可笑しく書かれた「東海道中膝栗毛」同様、2人は相変わらず、どこへ行っても騒ぎを起こす。女好きの2人はお詣りもそこそこに、参詣帰りの大阪の女役者に同行したものの、実は疝気持ちの女形だったという失敗を繰り返すことになる。
大坂から丸亀までの船旅が、雑費込みで18匁(約2万円)だとか、到着した丸亀の町の描写や言葉・文物を紹介しているように、登場する土地へは世辞が、都の読者に対しては旅に出る気持ちをかき立てる観光案内が描かれている。
活字に比べて読みにくさはあるが、江戸の雰囲気を感じ取ることができる。