本サークルのはじめての本です。海をテーマにした作品が4編、星をテーマにした作品が4編収録された、読み切り短編集です。現代、近未来、ファンタジーと舞台は様々。172ページあるので、読み応えがあるかと思われます。価格は1000円です。
●が海、★が星にまつわるお話です。以下、一部作品の本文抜粋と簡単なあらすじです。
以下、収録している作品の一部を紹介いたします。
ずっしりとした重量と、中から聞こえる氷のぶつかる音から、乾燥昆布とかではないのは間違いなさそうだ。すばらしき強度のテープを剥いで、箱を開けると、予想どおり、ひやりとした空気が立ち上がった。
高鳴る胸を押さえながら、氷をかき分けると、赤。
主人公には引っ越しの際に譲れない条件がいくつかあった。そのひとつはキッチンは広めで、コンロは2口以上。それはたまに金曜日にやってくる荷物と小鈴さんのため。料理を作り、一緒に食べるふたりの関係がゆったり語られる、ある金曜日の話。
「流星前夜に、星が準備するんだ。流星になる準備。重たいままじゃ夜の空を駆け抜けられないから。あれはその光だよ。流星前夜に夜空を見ようだなんていう物好きだけがかかる夜の魔法」
少年の朔はねこのナイトとともに家族に内緒で夜へとくりだす。みんな流星ばかりを好きだというから、少年はわざと流星前夜に密やかに、冒険をすることしたのだ。そして星がよく見える公園である人物と出会い――。秘密の冒険が教えてくれた「だいじなこと」の物語。
「私の歌がなくても、リシャ達の歌であんな船くらい」
深く内へと食い込んだ爪がナシャの喉から声を奪う。白い肌、鎖骨の窪みに溜まった鮮血が胸の間を伝い落ちる。
リシャのこうしてすぐに燃え上がる凶暴さを、ナシャはよく知っている。
セイレーンの姉妹のリシャとナシャは侵略者を許さぬ彼女らだけの楽園、リュジェーリア島で密やかに暮らしている。ふたりは女王の娘であり、ある事情によりリシャは人を恨み、ナシャは人を許そうとしている。
ある日、ナシャは自分たちの海を出て、人の街にたどり着き――。人とセイレーンの運命は激しく燃える。
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