廃墟をテーマにした4編の小説が収録された、読み切り短編集です。
放置された倉庫、閉園した遊園地、と舞台そのものが廃墟のものから、「廃墟=ruin=遺跡」と解釈したものまで。全体的にSF(すこしふしぎ)な雰囲気のする物語が集まりました。
価格は900円で、他の二冊より薄いぶん、お買い得になっております。
そんな僕にも、心配して時々訪ねてくれる学友はいて、たまに部屋のベルが鳴らされるのだが、それすら面倒で聞きたくなくて、僕はもっぱらあの場所に逃げ込んでいた。
町外れの川沿いに、使われなくなった大きな倉庫がある。そこで主人公が過ごしているとある日、その廃墟に現れたのは喋る犬と幼い少女が現れる。少女は「わたしたちは廃墟の引越し屋さんなの」と言った。廃墟の引っ越しとは? 主人公と少女と犬の交流は思わぬ形で決着する――。
弓張月の冷えた光が、ひび割れた窓を射抜く夜。
荒れた屋敷は、満員御礼。
生きとし生きぬものの声ばかり木霊する。
最高難度の世界の主は、サディスティックでルナティック。
聖なる槌を振り回し、修羅場を駆ける乙女が一人。
世界はゾンビの恐怖に包まれた! ピコピコハンマー片手に戦う臆病者の美少女ゾンビハンターと、彼女に忖度しあらゆる怖さを低減しようと頑張るゾンビの、どこかゲーム的なドタバタラブストーリー! ……かな? 多分ね。うふふ。
「クルミがあたしのお願い聞いてくれたら、あたしのことも、どうしてあたしがこの遊園地が好きか教えてあげる」
身構えた。もしかして、手のこんだ詐欺かなにかだろうか。それでも私の口はするりと動いたのだ。
『わかった』
キャンピングカーで暮らすデイトレーダーのクルミは、ドローンを使って廃墟を巡るのが趣味だ。ある日、廃墟になった遊園地でゴスロリ服に身を包んだ少女、コマチと出会う。ドローンを介して少しずつ交流していくふたりだが、コマチは大きな秘密を抱えていて――。人との付き合いが苦手なクルミがたどり着く「本当」の物語。
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