「雨と終末」というテーマが決まった時から、幸福へ至る物語をえがくつもりはありませんでした。いいえ、自らにえがきあげる力があるとは思えなかったのです。だから、天の輝きを目指して高く飛べば飛ぶほど溶けてまう蝋の翼を背負った若者のジレンマをえがくことにしました。長い話をかく体力気力が無い時期だったので、短く端的な小説への挑戦だと、自らに言い訳をしました。当初は多少の恋愛要素も予定していましたが、思い切ってそぎ落としました。表皮を削って剥いで、枝葉をむしって折って。なんだか渇き切った話になりかけたので、個人的な癖である「主従」を添えてみました。
行けよ、あとがきが待ってるんだろ?ここは俺にまかせな。心配すんなって。ゾンビの一億人や二億人くらいハムスターの回し車の風圧だけで一掃してやらぁ。じゃ、そういう事で。キャトルミューティレーションされた借りを返しに来たぜ愛しの子猫ちゃん!ヒャッハー!やっぱゾンビ怖い無理。はいどうも、あとがきのお時間です。ん?さっきの人は?何のことでしょう?はて、またバグでもありましたかね?とあるゲームで、とっても可愛いロボットさんと出会い、ロボットが愛情を抱いたり、ロボットに愛情を抱くとはどういう事なのだろう?と考えたのが、本作を書くきっかけでした。ロボットである彼女たち特有の思考・行動に寄り添って物語を紡ぐのは、人間である自分にとって、予想以上に険しい道でした。しかも乙女心とロボット心のセットですからね。そりゃ難しいわけですね。そんなこんなで生まれた本作を、貴方様の心のどこかに、ノイズのようなものとして、僅かでも残していただけたなら幸いです。お読みいただき、ありがとうございました。御機嫌よう。
こんにちは。今回のnana-seaシリーズ四冊目。なにも考えずにページを開いてみましょう。たぶん三分の二で私の文章にぶつかると思います。五分の四かもしれない。もっと確率は高いかもしれない。
というわけで、五〇ページ超えの作品が私の「ニセモノの虹」です。
別名「転生たぬきは未来版ワニワニパニックに夢中です」または「転生たぬきはイケメンに拾われたけど……オスです」です。フックを作りたくて仕方ない病にかかっております。
今回の特徴は「主人公がけっこうバカ」です。だってたぬきだもん。
ぽんぽこ言いながら、書きました。
作品内に登場する「とある小説にインスパイアされて作られた塔」の「とある小説」は星新一さんの「ひとつの装置」のことです。
じんわりとした終末感がたまらない名作です。
このニセモノの虹もひっそりとして寂しい物語になるはずでした。プロットにたぬきが登場するまでは。そのたぬきがゴキブリを食べようとするまでは。
書き出して十五行目でなんか違うなって思いましたね。不思議なものです。出来上がったのはテンションの高いたぬきでした。
ひさしぶりに「勝手にキャラが動く」物語だったなぁ、と。(長過ぎるために以下略)