真面目に生きているのに、うまくいかない。
悪いことをしているように見える人が、なぜか得をしている。
そんな光景を見て、
「因果応報なんて、本当にあるの?」
と思ったことはありませんか。
この素朴にして厄介な疑問に、仏教はどう答えてきたのでしょう。
本書のベースとなった『善悪因果経』は、現世の境遇を前世の行いの結果として説明していきます。
なぜ美しい人がいるのか。
なぜ裕福な人がいるのか。
なぜ高い地位につく人がいるのか。
そして、なぜ人は苦しむのか。
その答えの中には、「なるほど」と思うものもあれば、現代の目から見れば到底そのまま受け入れられないものもあります。
けれど興味深いのは、二千年近く前の人々もまた、
「なぜ、あの人と私はこんなに違うのだろう」
と考えていたことです。
古代の答えをそのまま信じる必要はありません。
むしろ、「なぜ当時の人々はそう考えたのか」「私たちは今どう考えるのか」。
そんな距離を取りながら読むことで、因果という考え方の面白さと危うさが見えてきます。
善く生きるって、結局どういうことだろう。
そんな問いを、少し立ち止まって考えてみるための小さな仏教説話集です。
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好雪文庫「別訳 仏教説話選」第2弾。
『善悪因果経』をベースに、読み物として楽しめるよう再構成しました。
※原典には、現代の観点から見て過激・差別的と受け取られうる内容が含まれるため、本書でもその点に配慮しながら紹介しています。
三色刷り版画風のイラストを収録した、作者自身による印刷・製本の自家製本版です。