「君のそばにずっといるよ」とささめく
肉片がボロボロと胸を貫く
椿の瞳が芽ぶいている
大きな瞳を見た
一億年前から渦巻いていて
彼に手を伸ばした途端
お寺のなかにいた
そこは世界の中心で
あどけなく きんきらきんの蓮たちをながめ
ているしかなかった
煙に巻かれ
幼い手は招かれ
線香のなかに溶けてゆく
炎は脈を伝い
心拍は百十を上回り
三十八度のなかを
めぐるしかない
尊びながら蔑むよ
尊びながら憎しむよ
だから戻っておいで
ゆっくりと暗闇を抱き締める
何枚もの布が目の前に重なり
夜しか見えなくなる
かきなぐり
かきなぐり
その先は虚無だった
彼はこう誓ったんだ
ふらふらと夜の星たちを愛撫する
消えてしまいなさい
家と家の間を通り抜け
頭を撫でてあげるから
だから
彼は
お墓の横に生えている花に水をあげた
お坊さんは
慈しみを死者に流し込むが
土の下にはなにもない
骨がこつりと鳴る
手のひらの上をゆっくりと熱く流れる血液
は
どこまでも広がり
君に届く
心の奥底へ
通り抜け
蝕み手を握る
彼は君を愛しています
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