こちらのアイテムは2025/11/23(日)開催・文学フリマ東京41にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京41公式Webサイトをご覧ください。

ビリー・ワイルダーの映画を観る

  • 南1-2ホール | L-41 (小説|海外文学・翻訳)
  • びりーわいるだーのえいがをみる
  • カズト・コバヤシ
  • 2025/11/1(土)発行
  • ◆ビリーワイルダーの映画評論

    ◆内容

    「サンセット大通り」のあらすじを紹介しながら、映画の構造を分析します。

    ◆ポイント

    • 怪談の生まれる場所
    • 監禁される小説家
    • 異界(監禁された生活)と現実界の往復
    • 楽しき没落
    • ナレーションは誰

    ◆試し読み

    評論家の種村季弘氏は、ビリー・ワイルダーの映画を「気分の好い、ある晴れた日に、ヨーハン・シュトラウスの音楽を聴いたり」するような贅沢な時間だと評している(「楽しき没落」)。彼の映画は「オーストリア=ハンガリー二重帝国という古いヨーロッパの文化の没落後の余韻を楽しむように作品は作られている」のだという。確かに、このビリー・ワイルダーの映画のタイトルの「サンセット大通り」は、よくある華やかな大通りの名前ではあるが、サンセットつまりは黄昏の時間を示していることにはすぐに気づく。
    映画は、プールに浮かぶ死体のシーンで始まり、視聴者は前後の脈絡の要領を得ないまま、映画の世界に誘われる。次のシーンでハリウッドのしがない映画脚本家の男性が借金の取り立てを逃れていることがわかる。その主人公がたまたま逃げ込んだお屋敷の女夫人が往年の名女優だったことから話が本格的に始まる。

     屋敷の一階のフロアはゲストを招いてパーティするのに十分なホールと二階へ続く螺旋階段。妙齢の女主人の女優時代の若き日の大きなスチール写真が壁に飾られている。豪奢だが少しカビの匂いもしそうな重く沈んだ古臭い内装である。そこで忠実な召使いの支えのもとで、女主人はおそらくは五十歳ぐらいであろうか、新作の映画の出演依頼を待ちながら毎日を暮らしている。懇意にしている映画監督もいるので映画出演は全くの妄想ではないのであるが、最近のハリウッド業界と世間に対して苛立っている彼女の眼は怪しく血走っている。



ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。