◆この本について
~映画「グレイテストショーマン」のモデル~
アメリカの興行師P.T.バーナムの本邦初の本格評伝。
自称”ペテンの王子様” ウソをビジネスに変えた男。
ドッキリ番組・フェイクニュースの源流を探る。
◆内容
Amazonで販売している『バーナムのショービジネス 虚言と娯楽の饗宴(上)』から「フィジーの人魚」の章を別冊にしました。
ある日、バーナムはフィジーで入手した人魚の標本を知人から譲り受けることになります。生きている人魚ではなく干からびたミイラです。珍品だが得たいのしれないシロモノで見世物をやって集客するか。新聞社を巻き込んで、バーナムの人心操作の才能が開花します。さて、この人魚はどこで製作されたのか。著者の独自の調査で驚くべき事実がわかりました。
◆試し読み
Noteでは映画「グレイレストショーマン」とのバーナム
の比較を連載しており、また本篇が試し読みもできます。
https://note.com/jolly_jacana651/n/n43eb2868f650◆バーナムの生涯
十九世紀のアメリカにP.T.バーナムという男がいた。今日では〈ザ・グレイテスト・ショーマン(世界最大の興行師)』の異名で知られている。コネチカット州の田舎に生まれ、小売店を手伝う中で大人たちのほら話に鍛えられた。ニューヨークに出てペテンビジネスに騙されながら、興行の世界に入っていった。まだ現在のような娯楽産業が成立していなかったこの時期、バーナムはフェイクニュースに近いネタを元にして巧妙な宣伝を仕掛け娯楽イベントを演出して評判を得ていった。
バーナムの興行に共通する手口は、最初に新聞の記事や権威のコメントによって見世物(公演)の対象が大変価値があって必見だとの情報をばらまく。ネタがばれてしまいそうになると、それを擁護する噂を流す一方で、インチキだとの情報を自ら流布して、市民にことの真偽を見届けたいと思わせるような操作を繰り返す。最後にはバーナム本人も騙されたのだと言い訳する始末だった。南北戦争の時期、不幸なことに博物館は何度かの火事にみまわれて終焉を余儀なくされる。興行師として成功したバーナムはさまざまなビジネスに手を出した結果、自らは自己破産するような失敗にもあっている。再起後のバーナムはパートナーを組んで、サーカス巡業に動物や芸人などのサイドショーを加えた新しい興行形態とそのスケールでサーカスの再編を繰り返し、全米ののナンバーワンのサーカス団バーナム&ベイリーを設立するに至った。