(本文より)
俺を拾い上げて、そいつが言った。雪みたいだな、って。確かにその日は、しんしんと降る雪であたり一面真っ白だった。俺はもののけだから寒さは感じないけれど、そいつは俺を温めるように撫でてくれた。
これが巷で噂の化け猫か。退治するには惜しいほど、綺麗な猫ではないか。
そいつは笑って、懐から紙を出すと、俺の額にぴたりと貼り付けたんだ。
それから俺は、陰陽師と一緒に他のもののけを退治することになったんだ。名前?言ったろ?
「ユキ」だよ。
雪みたいに白い猫だからユキって呼ぶか、って、安直な考えだよな。
でもまあ、悪くない名前だ。
うん、悪くない。
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