【前書き】
初めて能の物語が美しいと思ったのは、能「松虫」を引用した小説『夜の声 冥々たり/鷹守諌也/新書館ディアプラス文庫』を読んだ時だ。彼岸の青年に思いを寄せ、此岸を捨ててしまう青年の物語で、その物語の静かな美しさがとても魅力的な作品だった。思春期の私はその時能の物語に興味を持った。
恥ずかしながらきちんと自分で能を鑑賞したことがない。1度だけ、高校の課外授業で見たきりだ。
ただ、能の物語は私を魅了し、能の解説本を幾冊か読む機会があった。
カルチャーとしての男色に親しむうち、「松虫」が男色ものだったと思い出した。また若衆文化研究会で男色を取り扱った演目が少なからずあることを知り、能の中にあるブロマンスを探求するようになった。
今回の『季刊 男色』は今までの活動の中から、個人的に男色であろうと判断した物語を紹介するものだ。
個人の見解なので、それは違うだろうという指摘を受けるかもしれない。
そういう認識もあるのだと、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
【目次】
能とは
菊慈童
花月
松虫
勝手に男色能ダイジェスト
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