こちらのアイテムは2022/11/20(日)開催・文学フリマ東京35にて入手できます。
くわしくは文学フリマ東京35公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

be close for you

  • 第一展示場 | K-36 (小説|恋愛)
  • びーくろーずふぉーゆー
  • 深々深
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 500円
  • 2022/11/20(日)発行
  • *新刊*

    『be open with you』のスピンオフ短編集!
    『be close for you』のみで読んでも楽しめるようになっています。

    --------------------サンプル------------------------------------
    「ねぇ、リンディ」
    唐突に、ルーベンは衝動に従ってリンディの手を取った。
     「僕、すぐに手紙書きますから。かならずお返事くださいね」  
    リンディは強く握られた手を見て、すぐに視線を逸らす。
     「あ、ああ」
     「絶対ですよ」
     「約束する、約束するから手を離せ」
      ルーベンは満面の笑みを浮かべて、握った手を上下に何度か振った後、名残惜しそうに手を離した。
     リンディは離された手をぎゅっと握りしめて、慌てて丘を降りた。
    丘を降りたところでふと振り返ると、ルーベンが微笑みながらこちらを見ていて、慌てて背を向けて走り出す。自分の中の衝動をどうしていいかわからない。リンディは早鐘を打つ心臓を誤魔化すように走った。

      「さて、リアム。覗き見は褒められませんね」
     「気づいていたのか」
     「逆にリンディが気づかなくてびっくりです」
      肩をすくめるルーベンの背を、リアムが軽くたたいた。
     「お前なら生きてると思ってたけど、まさか獣人族の女の子を懐柔しちまうなんてな。俺より人たらしの才能があるんじゃないか?」
     「その人たらしの上官サマは、なんで一人でこんなところにいるんですかね」
     「そりゃお前、やさしーい上官サマとしては、吹雪が止んだ夜半から休みなく川の流れを追って駆けてきたのよ。可愛い可愛い部下のために」
     「はいはい」
     ルーベンは気のない返事をしたが、こういう上官だからこそ、リアムについていくことにしたのだった。

     「僕、今まで貴方のために働くつもりだったんですけどね」
     「なんだ、裏切りか!?」
     「ふふ」
      騒ぐリアムを置いて、ルーベンはリンディが駆けて行った方角に目を向ける。

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