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青春追憶

  • 第一展示場 | K-36 (小説|恋愛)
  • せいしゅんついおく
  • 深々深
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 104ページ
  • 500円
  • 2016/11/3(木)発行
  • 生と死の狭間に揺れていて、それでも、ぴかぴかのエネルギーに満ちている高校生。
    そんな高校生たちの、春夏秋冬短編集。

    2016年11月に発行した本の、誤字脱字等を修正した再版です。

    -------【サンプル】-------
    「私ね、シニタミン症候群なの」
    「しにたみん?」
    「そう、シニタミン」 
    彼女は昼休みの図書室の隅で、『世界で一番美しい元素図鑑』をめくりながらそう言った。彼女の名前は金木茉莉花という。
    「時々ね、ぶわー、って、死にたくなるの」
    「死にたいの?」
    「今はそうでもない」
    「どういうときに死にたいの」
    「嫌いな人に会ったとき。誰かの悪口聞いちゃったとき。叱られたときとか、誰かが叱られてるのを見たときも。でもね、ほんとに死ぬ気はないの」
    「なんで」 
    「だって、人に迷惑をかけるし、私が死ぬと悲しむ人もいるでしょう」  
    それに、痛いのは好きじゃない、と金木さんは呟いた。
    「悪口、っていうのは」  
    僕は話を遡る。
     「自分のじゃなくても?」
     「そう。自分についての悪口じゃなくても。そういう事を言う人が近くにいるんだ、ってことがダメなのかなぁ」
     「変な子。潔癖?」
     「違うと思う。仕方ないよ、嫌いな人がいたり、どうしても合わない部分があるのはさ。愚痴言ってるうちに悪口になっちゃったりすることもあるだろうし。私だって気づいてないだけで言ってるかもしれないもの」
     「つまり君は、」  僕は少し考えて言葉を選ぶ。
     「悪意に弱いんだね」
     「そう、そんな感じ」  
    彼女は少し嬉しそうに笑った。ようやく上手な言葉を見つけた、という様子だった。

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