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白い彼方

  • オ-38 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • しろいかなた
  • 友野茂隆
  • 書籍|B6
  • 293ページ
  • 1,900円
  • 1998/6/15(月)発行
  • 医学部浪人の日々。都会の浪人生活、高校生の交際、同級生の自殺、アベックの出会いと別れ、少女との出会い、苦悩を昇華した上昇感。プルースト、中村真一郎の手法で描く。

    (あらすじ) 平成10年代のある日、私は学生街で20年前の大学浪人の生活を思い出す。医学部を受験して不合格になり、下宿して都会の生活に圧倒されながら予備校に通った。地方の高校時代に女性Nに出会い、デートを重ねたが、交際を保留して都会の浪人生活に入った。同級生Tとその知り合いのアベックに会うが、やがて2人は別れてしまう。それから、学生街から下宿のあった住宅街に行き、自販機を見て老犬を思い出す。浪人の苦悩、同級生の自殺を連想する。その後、駅のホームで同級生Tと別のアベックを思い出す。仲睦まじいアベックの姿に、私はNとの希薄な関係を思うが、そのアベックも別れてしまう。私は浪人中に医学部から文学部に志望先を変えた。受験の旅行で車窓の雪景色の中にNの幻影を見る。次いで、銭湯を見て下宿の仲間Kとその友人と交際相手を思い出す。アベックは下宿を訪れ、交際相手は私の布団で一人で寝てしまう。その後、八百屋を見て下宿の隣の少女を思い出す。少女はNと二重写しになる。少女と幼児と出かけた公園を思い出し、付近を探し回る。少女たちと、あの時に味わった上昇感を思い出す。浪人の苦悩、恋愛の苦悩を昇華させる感覚だった。少女は寄り添ってきて、肩を抱こうとして断られたNを思い起こさせた。性欲と恋情が錯綜した。少女は結婚の話をして、私は我に返った。私は少女たちと一緒に公園を出た。その20年前と同じ道を、駅に向けてたどり始めた。

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