こちらのアイテムは2016/11/23(水)開催・第二十三回文学フリマ東京にて入手できます。
くわしくは第二十三回文学フリマ東京公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

コスメ・ボックス*

  • Eホール(1F) | E-11 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • こすめぼっくす
  • sunny_m
  • 書籍|B6
  • 64ページ
  • 200円
  • http://www.pixiv.net/novel/sh…
  • 「日常の中にある他愛のない可愛らしいこと」

    ――
    おまけ 四、名前のない色 ―珊瑚色の贋物頬紅ー

    窓から差し込んできた冬の夕日が部屋の中をオレンジ色に染める中、朱音(あかね)は鏡の前で簡単に身支度を調えていた。
    基礎化粧品で調えた肌の上、日焼け止め代わりの化粧下地を塗り、フェイスパウダーを乗せる。あとは眉を描き、リップクリームを塗っておしまい。ファンデーションやコンシーラーはおろか、アイシャドウもマスカラも口紅すら載せない。
    最低限の身支度を調えただけにもかかわらず、しかし、鏡の中の朱音の姿は大輪の花のように美しい。肌理の細かい朱音の白い肌は粉をはたいただけで陶器のように滑らかで、その愁いのある目元は眉を描いただけで印象深い。ぽってりとした唇は偽の色など載せずとも艶やかだ。身に着けている服もジーンズと飾り気のないセーター。と簡素なものだが、彼女が身に着けるとあか抜けて見える。
    けれど、そんな美しい姿など本人には何の価値もなく、無感動に朱音は鏡に映った自分の姿をしばし眺めた。
    ふと、惑うように愁いの帯びたその目元が揺れる。何かを迷うような、ゆっくりとした動きで朱音は化粧品が入った箱の中から頬紅を取り出した。薄紅のように可愛らしくもなく、赤のように情熱的でもない、すこしくすんだ珊瑚色。常に屈託を抱えている朱音のようなその色をひとはけ、頬の上に載せる。
    その白い頬に宿る緋色が何に由来するものなのかを隠すために。
    ――(本文より)

    コスメにまつわる4つのお話とそれぞれの後日譚。

    ほのぼのと甘く優しく撫でる掌のような話だったり、
    息苦しいほどの熱気を孕んだ秘密の話だったり、
    美味しいものとお酒とお喋りの女子会の話だったり、
    頬の朱色からそっと目を逸らすような話だったり。

    プラス、
    それぞれの女子達のその後について描かれた話だったり、です。

    ※コピー本の画像は、ほとんど手書きなので雰囲気で見てください

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。

同じ出店者のアイテムもどうぞ

そらうた日和青の祝祭格子の向こう側潮騒異聞遣らずの雨が降る時コスメ・ボックス*

「気になる!」集計データをもとに表示しています。