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ふたりのクルス 大友宗麟編 中

  • B-15 (小説|歴史・古典)
  • ふたりのくるす おおともそうりんへん ちゅう
  • 高月 怜司
  • 書籍|A4
  • 168ページ
  • 1,000円
  • 2026/7/20(月)発行
  • ―― 私は、強き大名ではなく、ただの弱き一人の人間であった ――

    戦国時代、九州に巨大な版図を築いたキリシタン大名・「豊後の王」大友宗麟。 しかし、その華々しい経歴の裏側にあったのは、肉親の裏切り、家臣の離反、そして愛する故郷を島津侵攻の炎に焼かれる絶望の日々だった。

    本書は、五百年の時を超えて作者が宗麟の魂に問いかけ、対話を重ねることで紡ぎ出された、あまりに人間臭く、あまりに切実な「魂の遍歴」の記録である。

    雪の朝の純真な少年時代から、権力の絶頂、そして病の床で見つけた「アニマ(霊魂)」の救済まで。 なぜ彼は、十字架(クルス)を背負い、キリストの傷口に自らの痛みを重ねたのか。

     

    『ふたりのクルス 大友宗麟編』(上・中・下 全三巻)

    「その手を、キリストの脇腹の傷に入れてください」

    自らの罪に悩み、救いを求めてあがき続けたキリシタン大名、大友宗麟。 彼が手にした「クルス」は、権力を守るための道具だったのか、それとも魂をつなぎ止める最後の細い糸だったのか。
      本書は、歴史の表舞台からは見えない宗麟の「迷い」と「解決策への執念」を緻密に描き出す。
      一人の男が、悩み抜いた末に到達した「静かなる終焉」。 歴史小説の枠を超えた、魂の救済を巡る大河ドラマ。

    「なぜ、あれほど悩み、それでも歩みを止めなかったのか?」 作者が大友宗麟に語りかけ、問い続け、ようやく彼が答えてくれた言葉たちが、全3巻の物語になりました。

    少年時代の雪の朝から、最期の光に包まれる瞬間まで。 九州の覇者・大友宗麟の「人間としての素顔」を描いた歴史大作。 『ふたりのクルス 大友宗麟編』

    戦国という時代を、彼と共に悩み、共に生き、そして最後は共に救われる――そんな体験をしてみませんか。

     

    「最初は、大友宗麟という人物が分からなかった。だから私は、彼に繰り返し語りかけ、問いかけ続けた。すると宗麟が、少しずつ、その複雑な胸の内を語り始めてくれたのです。」(高月怜司)

    悩みの尽きないこの時代に、何とか解決策を見出そうと足掻き、最後には救いを見つけた一人の男の物語を、ぜひ多くの方に届けていきたいと願っています。


    中巻 あらすじ

     病床から回復し、天正二年の正月を迎えた宗麟の胸中は、当主としての責任と老いへの怯えに揺れ動く。厳かな元旦の儀式に感傷を覚え、亡き母の面影を侍女・佐知に重ねて安らぎを求める。

     期待を寄せる嫡男・義統の軟弱な振る舞いや船酔いに、宗麟は「これでは家督を任せられぬ」と深い失望を味わい、家臣団の突き上げや宿老・臼杵鑑速の死がその焦燥を加速させる。最終的に義統への譲位を決断するが、それは確信ゆえではなく、血脈の序列を守るための苦肉の策であった。次男・親家のキリシタン入信を許した背景にも、骨肉の争いを避けたい切実な願いが籠もっていた。権力の絶頂にあっても拭えぬ死への恐怖と、大友家の行く末を憂う、迷い多き孤独な魂の独白。

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