20代半ばのOL、浅雛麻耶(アサヒナ マヤ)。業務委託先の担当者のパワハラによって、彼女は人生で初めて心療内科を受診し、適応障害の診断を受けて休職してしまう。大好きなヘビーメタルの音楽やカラオケも、麻耶の傷を癒すことはできず、3日間ベッドで横たわる。
ある日、目を覚ますと体が幽体離脱し、自分の体は「もう一人のあなた」と名乗るペルソナ(もう一人のマヤ)によってコントロールされてしまう。生真面目で固い性格の麻耶と、明るく破天荒な性格のマヤ。彼女たちは喧嘩や対話を通しながら、浅雛麻耶がもう一度自分と向き合い、堂々とした復職を目指していく。
「メタルが大好きだ。聴いているだけじゃ物足りない。歌いたくて堪らない」
目覚める鋼鉄の魂が、麻耶の人生を大きく突き動かす。文で音楽を奏でる、二重人格系ヘビメタ小説。