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オーバードライヴ

  • B-21 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • おーばーどらいヴ
  • 志槻 黎
  • 書籍|新書判
  • 300ページ
  • 1,000円
  • https://www.pixiv.net/novel/s…
  • 2015/9/23(水)発行
  • ――朗報。久方ぶりの快進撃。遍く戦場を駆ける新型兵器 

    極東帝国軍開発本部が、今月五日に新型兵器の開発を発表した。SA-00型という、陸海空三分野に対応した兵器である。既に実戦に投入されているものの、その詳細は未だ非公開。確実に戦果を挙げており、此度の戦争は瞬く間に我が国の圧勝で終幕すると予想されている。

    その神々しい姿から早くも「高天原」の愛称で話題のSA-00型は、平常時は人型をしている。国家の救世主という肩書きの割に華奢で頼りなげに見えるだろうが、侮ることなかれ。問題が山積みとされている現段階でも、そのスペックは非常に高い。最大の特徴は、自らで考え行動することだろう。細部まで計算し、あらゆる事態に対応できるその機能はまるで人間のよう……


    世界を震撼させた、「自ら考え行動する」新型兵器。操縦席がなく、パイロット不在の歪なそれの正体は、生身の人間を素材に改造した非人道的なものだった。初号機の製造が成功してしまったために量産が始まり、極東の若い命が使い捨てられていく。成功率はコンマ一以下と極めて低く、犠牲者は十万にも及んでいた。


    無作為に材料として選ばれ、歩留まり最悪のなか成功した十人の青年たちは、外部からの破壊と内部から侵食される《兵器化》の恐怖に耐えながら勝利のために酷使される。彼らの人生は、幸か不幸か―

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