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ビターエンドに届かない

  • く-15 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • びたーえんどにとどかない
  • 明巣
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 140ページ
  • 700円
  • ビターエンドに届かない

    サークル空想カクテル、2023冬の新作。"アン"ハッピーエンド短編集第二弾。

    ビターエンド"には"届かない儚くも美しい物語から、ビターエンド"にすら"届かない苦くて虚しい物語まで、短編小説七篇を収録。


    ◆ つださん
     「つださん、つださん、私の願いを叶えてください」
    青くて綺麗なものを用意して、夜に一人で『つださん』にお願いすれば願いが叶う。最近流行りのおまじない。気になるBさんとずっと一緒にいたい、と軽い気持ちでおまじないを試してみたが……。


    ◆グッバイ、マイフェアローズ
     夜道に聞こえた足音。孤独な部屋に響く物音。
    その正体は、きっと──最愛の彼女だ。
    「砂漠の薔薇」に願ってから、死んだ筈の彼女が少しずつ戻ってくる。 そんなおとぎ話のような奇跡の中で、真っ赤な花弁がまたひらり、と落ちた。


    ◆白煙シンドローム
    キラキラ女子に必要なのは、可愛さと映えとちょっぴりの刺激。
    優しいだけの退屈な彼氏よりもリードしてくれる大人の男の方が魅力的。
    OLの優奈は、最近とある"火遊び"にハマっていた。シトラスの煙草の匂いを纏った年上の男……「為田さん」と会うことだ。

    ◆スタンドバイミー
     男友達の颯希と飲みに行った先で出会ったのは、小麦色の肌をした晴れやかな青年、神谷だった。
    颯希の友人である彼は、バックパッカーをしながら世界中を旅しているらしい。
    話し上手で人好きのする彼に惹かれ、こっそり「ね、神谷さんって恋人とかいるの?」と尋ねると、颯希からは予想外の答えが返ってきて……。

    ◆泥の中
     避難所に設置された仮設テントの中に並ぶ沢山の納体袋。濃い腐臭と死の気配に満ちた空間で、真っ黒い服を着た男が膝を折る。
     「ああ、綺麗な手ですね。よかった、絶対にここだけは残しておきましょう」
     エンバーマーを名乗った彼は、泥に塗れた腕を優しく抱き上げ、愛おしげに撫でていた……まるで、死神のように。

    ◆煉獄
     三年間付き合っていた恋人が死んだ。
     使い込んだマグカップの中で随分とぬるくなったコーヒーを啜りながら、冷たくなってしまった恋人をぼんやりと見つめる。
     彼の死因は、自殺で間違いない。
     だが、彼がなぜ自殺を選んだのか、その明確な理由だけがわからなかった。

    ◆ほてる薄紅
     大学の入学式の日、戸惑う私の手を引いてくれたのは、溜息が漏れそうなぐらい綺麗な女性だった。彼女に惹かれて同じサークルに入り、届くわけないのに真似をしてみる。
     化粧もろくに出来ない自分とは対照的な、お洒落で可愛らしい憧れの先輩。 彼女からはいつだって、柔らかな花のような瑞々しい香りが漂っていた。


    ハッピーエンドなんかじゃない。
     でも、バッドエンドにもなれやしない。 白と黒の狭間で揺れる、灰色の結末。 この物語は……

    ビターエンドに届かない

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