水

• く-07 (小説|短編・掌編・ショートショート)
• みず
• 工藤 健一
• 書籍|文庫判(A6)
• 78ページ
• 2022/11/20(日)発行

• ■『水』■・・・歌集です。

  ・78ページ

  ・文庫本サイズ

  ・短歌を192首収録

  ・５７５７７の基本リズムの現代短歌がほとんどです。

  ・シンプルな表紙（カバーはなし）

  
  

  【収録短歌見本15選】

  できたての愛から足と手がはえてたったひとりのあなたができた
  

  
  

  どれほどの警告音が響こうと君は君から避難できない
  

  
  

  君もまたわずかな希望・大量の絶望・水でつくられている

  
  

  日曜が終わるころには磯野家が平和な顔で君をへこます

  
  

  昼休み　サンドイッチを食むきみは進路と恋にはさまれている

  
  

  あの雲のふもとで夏が待ってます　祝祭ひとつ胸にかかえて

  
  

  地球　このアクアリウムのすみっこで青いわたしが１匹およぐ

  
  

  「展示品のみになります」君もまたやや傷のある１点ものだ

  
  

  ややデカく少し動いている桃を工場裏の川に流した

  
  

  ふとできた胸のすき間がデパ地下のショートケーキで埋められてゆく

  
  

  休日の部屋にぽつんといるよりも忘年会のほうがさみしい

  
  

  切り分けたホールケーキの内側で「また来世で」という声がする

  
  

  熱湯がかかってからの３分を必死に生きたカップヌードル

  
  

  何からも選ばれないでいる君がコンビニでいま選んだプリン

  
  

  「さよなら」が威力を発揮する位置に君たちは来てしまいましたね

  
  

  
  

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