「先輩、僕、やっと新幹線になれなかったことに諦めがつきました。同時に、特急だった自分にも、未練が無くなった気がします」
北陸本線の特急擬人化小説「れーるのうた」シリーズ24冊目。
21冊目の「
新たな始まりの場所へ」から続く、過去編(白を名にもつものたちの寓話シリーズ)の登場人物だったかつての列車達が、北陸新幹線の開業をどう受け止めたかを書いた、もう一つの最後の物語。
白山と二代目はくたかは男同士で恋人という設定です。
収録作品
・白山とあさまの話
白山を北陸新幹線の列車候補として推薦したのは、白山が特急だった頃に信越本線を走る同僚だったあさまだった。
新幹線に選ばれなった事で傷ついている白山のところへやってきたあさまは、白山が選ばれなかった理由と、新幹線になった特急の秘密を語り出す。
・白山とエフの話
新幹線の列車候補になる事を決めた時、その後押しをしてくれたのはかつて碓氷峠の上り下りで相棒として一緒に走ったエフ(EF63機関車)だった。だが、新幹線に選ばれなかった事で、白山はエフに対して約束を守れなかった後ろめたさを感じていた。
そんな白山に、先代はくたかが決着を付けるべきだと背中を押す。恐る恐るエフに会いに来た白山は、二人で話をする中で、エフが碓氷峠廃止の日からずっと後悔してきたある事を知り、今度は自分がエフを助けたいと、立ち止まるエフの背中を押す。
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