こちらのアイテムは2018/6/17(日)開催・第三回文学フリマ岩手にて入手できます。
くわしくは第三回文学フリマ岩手公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

The Stranger of Short Story

  • ウ-03 (小説|短編・掌編・ショートショート)
  • すとれんじゃーおぶしょーとすとーりー
  • 梓野 みかん
  • 書籍|新書判
  • 110ページ
  • 400円
  • 2019/6/9(日)発行
  • 【改訂版になりました】
    昨年の第三回文学フリマに、新刊として頒布したタイトルの本ですが、誤字が散見されるなど気になる点があり、今回改訂したものを頒布いたします。価格も変わりますがご了承下さい。
    つきましては短いお話を一本と、作品についてのコメントページをマシマシしました。
    何卒よろしくお願いいたします。
    ※昨年お買い求めいただいた方はブースにてお申し出ください。お値引き等対応予定です(^^)/。赤い、こたつみかんの表紙の本です。

    通りすがりの短編、合わせて五本です!
    各話の冒頭は以下な感じです。

    ●雪かきをしながら思う、カレのことや雪のこと。……『暖国に告ぐ』

     ハラがたつ。
     雷奈は雪にスコップを突きさした。二日前からやってきた寒波のせいで、降り続く雪はすでに雷奈のヒザまで積もっている。しかしそれ以上に雷奈が気に入らないのは、同じく二日前に、寒波と入れちがいでこの田舎町を去っていった、転校生のカレのことだった。この雪が、カレの残した最後っ屁のように思える雷奈にとって、こうして黙々と雪を処理しなければならないことは、まるで屈辱だった。


    ●テルミン・午後三時は、探偵事務所の留守番である。……『D棟に謎はふりつむ』

    『世界にもう謎はない!』
     とはいえ、D棟に謎は尽きない。
    『ジョン・スミス・星照探偵事務所に何でもどうぞ!』
     何でも、などとは、とうてい実情にそぐわない。
     ラジオから流れ出る、安い宣伝文句と大げさな効果音が、ノイズまじりにジョン・スミス・星照探偵事務所内に響く。応接セットの固いソファに座り、ペンと学習ノートを抱えた一人の子どもが、緊張気味に口を開いた。
    「……じゃあ、つぎのしつもんなんですけど、ええと」
     テルミン・午後三時さん、と子どもは目の前の男をそう呼んだ。


    ●運動会のリレーに寄せる、四人の気持ち。……『このあらし、ふき荒れよ』

     台風になろうよ、とカオルコは言った。
     四人で巻き起こそう、とコムギコが言った。
     吹き飛ばすのね、とスミレコが言った。
     そして残すんだ、とトネリコは言った。「この爪痕を」

     第一走者・トネリコの表明
     私トネリコは、このたびの運動会で行われるクラス対抗リレーにおいて、我が六年二組の代表として出場するべく、立候補することをここに表明いたします。


    ●ダンナの遺した本を処分する。……『しおりがわり』

     よく挟まっていたものだ、と思う。
     エンピツ、ボールペン、定規、チラシの切れっぱし、アイスの棒(ハズレ)、アイスの棒(アタリ)、訪問販売の営業の名刺、宗教関係の勧誘のブックレット、自動車メーカーからのダイレクトメール、十円玉。
     それは亡くなったダンナの本から出て来た、しおりの代わりとして挟んでいたものの数々である。


    ●連城カナミの、心の座標……『連城カナミの消失点』

     連城カナミは高校生である。
    「おい連城、この成績じゃあ第一志望はきびしいぞ」と、進路指導の教師が言う。
     落ちこむ。
     がんばっているのだが、なかなか結果が出なくて落ちこむ。


    こたつ読書の味変に。

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