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全てのピノッキオたちへ/少年と海獣

  • い-21〜22 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • すべてのぴのっきおたちへ しょうねんとかいじゅう
  • 国内産黒米
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 134ページ
  • 700円
  • 2023/2/26(日)発行
  • 新刊
    愛にあふれた短編二作品を収録した一冊です。

    全てのピノッキオたちへ
    一流テーマパーク、ドリーミングランド。 樹論 信(しのぶ)は夜間清掃部から、突如"夜間特別技師"になることに。 休止中のアトラクション『ケインローズの冒険』で出会ったのは、自由自在に動き回るアトラクションオートマタの ケインローズ本人であった。

    -サンプル-

     「このアトラクション、出るらしいよ」  若い女性が指をさす先には、『ケインローズの冒険』と書かれた看板が掲げられたギリシャ風の建物。入り口は植木で遮られ、その前に小さな立て看板が構えていた。文字の羅列を読み解くと、休止という一言に辿り着く。
      ここはテーマパーク、ドリーミングランド。夢見る王国という名に恥じぬ、ファンタジーな花々や装飾で彩られた園内。そこに立つ私は、白黒のパンツスーツに身を包み、違和感という空間の歪みを生み出していた。銀に輝く腕時計は正午過ぎを指している。こんな時間、こんなに夢に溢れた場所で幽霊が出るなんておかしな話だ。
      「あの小さなお兄さん、めっちゃ就活感あるじゃん。なんでこんなとこに居んの……」
      若い女性は小声で、同行しているらしい男性にひそひそと訊ねる。私がここにいる理由なんて、その男性に分かるはずがなかろう。
      (てか、私女だし)
      私の存在が幽霊みたいだった。馬鹿馬鹿しい。そう思った私は、別のアトラクションでも回ればいいや、と『ケインローズの冒険』を後にした。

    少年と海獣
    一七九〇年イカロス国。 産業革命の混乱に、ビル少年は巻き込まれていた。 親友を救うために大人と戦った結果海に吞まれ、気が付くと海獣が支配する城にたどり着いていた。 海獣オルカや夢の中で出会う不思議な美青年、イルカのロイとの出会いと、そして――

    -サンプル-

     一七九〇年、イカロス国。薔薇のような赤い瞳を持つ少年のとある物語。  美しい瞳を持つ十一歳の少年の名はビル。本名はウィリアムだが、皆ビルと呼ぶので、周りに倣ってそう名乗っている。彼は血の繋がらない母親と父親、そして姉の四人で海の見える街エヴァリプールに暮らしていた。
      ビルが幼い頃、実の両親に殴られ蹴られ、更に熱湯を浴びせられ、ついには左目の光を失ったのだ。そのため、酷い火傷の痕と左目を隠すように栗毛の前髪が伸びている。
      少年一家は、裕福ではなかった。ビルと父親はボロボロの上着を着て毎日炭鉱に赴き、血と汗を流す。昼間は製糸工場で働く母親と姉はなけなしの銀貨で食材を買い、家族のために少なくても満足のできる料理を振る舞った。
      産業革命で揺れ動くイカロス経済。劣悪な労働環境に反対を示す人々の活動によって更に大きく揺れることとなる。その渦中に、ビル少年たちはいたのだ。

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