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方舟の城のローゼ

  • い-30 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • はこぶねのしろのろーぜ
  • 深海いわし
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 64ページ
  • 500円
  • https://sardine.halfmoon.jp/
  • 2021/3/21(日)発行
  • 空を征く城の化身。王に逆らう者すべてを破壊する死神。機械仕掛けの騎士ローゼは主の命令に逆らわない。たとえその命令にどんなに反発を覚えたとしても、主の命令に従うことだけがローゼに許された行動原理だから。 天空の城に暴君として君臨する少年王アレクシスは、一人の少女を攫ってくるようローゼに命じた。感情を押し殺しながら天啓院に保護されていた少女を攫ったときから、破滅の歯車は回り始める。
    冷酷な支配者である少年王と、彼に仕える機械仕掛けの女騎士の、愛と裏切りの物語。

    ※「カクヨム」にて公開中のものを微調整して再録したものです。内容はほぼカクヨム収録のものと変わりません。

    掲載サイトのURLはこちら https://kakuyomu.jp/works/1177354054921688439

    【本文サンプル】
      泣き叫ぶ少女の声に耳も貸さず、王妃の間という名の牢獄の鍵を閉めた。
     ローゼは主の命令に逆らわない。たとえその命令にどんなに反発を覚えたとしても、主の命令に従うことだけがローゼに許された行動原理だ。
     それはローゼが今の主――この天空を征く壮大な機械仕掛けの王城に君臨する、若干十四歳の少年――に仕え始める前から変わらない。冷酷で残虐な少年王の命令を、表情一つ変えずに遂行するローゼは、王城に住む『天上人』たちからも、天空の城に住むことを許されず嵐の海に翻弄されて生きる『漂流人』たちからも、死神と恐れられていた。
     人々から恐れられるのは今に始まったことではない。主が今の主に変わるずっと昔からそうだったし、きっとこれからもそうだろう。すべての陸地が海に呑み込まれ、天候を操る浮遊城の王が君臨するようになってから、ローゼはずっと王の傍らで人々に恐れられてきた。空を征く城の化身。王に逆らう者すべてを破壊する死神として。
     ここまで来る廊下でも、すれ違う侍女や使用人たちの体が恐怖に震えているのを感じていた。化け物を見るような視線は記憶が始まる最初の瞬間から浴び続けてきたけれど、主の命令を忠実に実行するようになってからそこに明確な恐怖が加わった。

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