こちらのアイテムは2014/5/5(月)開催・第十八回文学フリマにて入手できます。
くわしくは第十八回文学フリマ公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

ぼくらは未熟な春を摘む(妖怪シリーズ2)

  • Eホール(1F) | D-65 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • ぼくらはみじゅくなはるをつむ
  • 時幸 空
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 100円
  • http://nanos.jp/soratokiyuki/
  • 2014/5/5(月)発行
  • 妖怪退治屋の末裔でありながら、妖怪退治に抵抗のある人間・乙葉旭と、かつては人を喰って生きながらえていた五百歳の白狐の妖怪・焔がコンビを組んで、人の世界へはみ出した妖怪たちを助けながら、それぞれの進むべき道の選択を迫られていく【11シリーズ】
    旭高校生編となる新シリーズ第二弾。


    【冒頭紹介】

     乙葉旭はまっすぐに自身を見つめていた。
     クローゼットの中の大鏡に全身を写した自分を形容するならば、アニメに登場する大きな影を抱えた虚無的な敵役キャラの一人、といったところだろう。もっと簡単に言えば、主役でも敵役でもなく、暗さだけが取り柄の脇役ということだ。
     伸ばしっぱなしの髪はもうすぐ一つに括れそうで、その隙間から世界をのぞき見る瞳に新入生らしい未来を夢見る輝きはない。
     濃いめのグレーのワイシャツに、濃紺のネクタイ、白いブレザー、千鳥格子のパンツという制服は派手すぎて、内側に飼い慣らした闇をかえって浮き彫りにしている気がする。
    「髪くらい切ればよかったかな」
     今頃思いついてもすでに遅し。朝食を済ませたら登校時間だ。入学式早々、遅刻は避けたい。目立つのは制服だけにしたかった。
    「旭、朝飯できだぞ。あれ? どこだ?」
     旭を呼ぶのは、同居人の焔だ。
     名字はない、ただの焔。
    「こっち。クローゼットの中」
     二十畳はあるだろう旭の部屋には、ウォーク・イン・クローゼットの他に洗面所とバスルーム、トイレが備わっており、和モダンなホテルのスイートルームのような造りになっている。
     近づいてくるスリッパの音を聞きながら、旭はネクタイの歪みを直した。
    「ネクタイ、結んでやろうか?」
     長身の焔の声が頭上から注がれる。
    「別に問題ないし」
     胸元から視線を上げれば、目の前の鏡には焔が写っていた。
    「えっ?!」
     思わず声をあげたのは旭だ。くるりと向きを変え鏡ではなく焔の実体と向き合う。
    「その制服! どういうこと?!」 

    (続きは本で! よろしくお願いします)

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