遠くの戦争のことや、災害のことも思う時間を確保
したい。けれど目の前の生活や仕事を力を入れて乗り
越えねばならないとき、それは視界の全てを覆ってし
まう。わたしたちにとって最も大切なのはいつまで経っ
ても、眼前の喫緊の課題なのだ。だからせめて、今回
みたいに結果論として思い出せるタイミングを作りた
い。ここに泊まることを選んだことだけでなく、この
旅行そのものがまた、結果論として多くの思考と決意
を生んだ。そのための、旅である。生活圏を脱出する
のだ。自分の知らない生活のことを強制的にわからせ
るために旅をしよう。凝り固まった肩をほぐし、自ら
の胸をこじ開け誰かと繋がる道を作ること。違う土地
で、どのような形であっても文字通り胸を打たれるこ
とで、偶然のつながりを生み出すために旅をしよう。