江戸時代初期(1611~1667年)の四国が舞台。道後の湯、高知城、桂浜、栗林荘、かずら橋、今治城など、四国各所にて繰り広げられる八つのエピソードから成る連作短編集です。
病を癒すうどんを作る職人、大坂夏の陣の戦場から命からがら逃げ延びた落ち武者、走ることに天賦の才を持つ少女、上役からの叱責に怯えて日々胃痛に苦しむ侍、船を造らせれば並ぶ者のない元漁師……全く異なる背景を持った登場人物たちの逸話を追っていくと、徐々に一つの大きな物語が紡がれていき、最後にはすべてが繋がって伏線が回収される構成となっています。
もう一方の『ゆえに、叛逆す』と比べて、一つひとつの逸話が短く、歴史小説に似合わぬSF(すこし・ふしぎ)的な要素も含まれていて、肩肘張らずにサラッと読めるかと思います。