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無音の弾丸 (新刊)

  • 南3-4ホール | け-31〜32 (評論・研究|ミステリー)
  • むおんのだんがん
  • アーサー・B・リーヴ
  • 書籍|新書判
  • 276ページ
  • 2,900円
  • 2026/4/18(土)発行
  • 2026年5月文学フリマ東京42新刊
     
    著者のアーサー・B・リーヴ(Arthur B Reeve 一八八〇~一九三六)はアメリカの探偵小説家である。ニューヨーク州ロング・アイランドに生まれ、プリンストン大学で法律を学んだ後、ジャーナリストになった。  犯罪科学に関する記事を書いたのがきっかけで創作にも興味を抱き、最初のケネディ教授が登場する短篇「The Case of Helen Bond」(後に「科学的金庫破り」と改題)がCosmopolitan誌一九一〇年十二月号に掲載された。それらの作品を一冊にまとめたのが本書『無音の弾丸』(The Silent Bullet New York, Dodd Mead  一九一二)である。科学探偵クレイグ・ケネディ教授を主人公にしたこのシリーズは人気を博し、「アメリカのシャーロック・ホームズ」と呼ばれるようにまでなった。  第一次世界大戦中、リーヴはアメリカ政府からスパイやサボタージュを捜査する科学犯罪研究所設立に協力したといわれている。戦後彼の作品は次第に人気を失っていったが、今度はケネディ教授が登場するなどの映画脚本執筆をするようになり、合計で十六本を映像にした。さらにそれらは後に小説に転用もしている。  彼は科学者ではなかったにもかかわらず、さまざまな科学知識を吸収して作品に生かす才能があった。同じように科学知識を特徴とする「シャーロック・ホームズのライバルたち」の一人に、オースチン・フリーマンの「ソーンダイク博士」シリーズがあるが、彼の作品は新しい発明品、科学の新発見に「落ち」を頼りすぎていたために、時代の変遷とともに「ソーンダイク博士」シリーズとは違って、忘れ去れる運命にあった。しかし初出から百年以上が経過し、中途半端な過去でなく、歴史の中に位置づけられるようになり、彼が作品中で用いた「新しい発明品」が忘れ去られたり、当たり前すぎて意識されないようになっている。現代こそ、彼の作品を新鮮な目で楽しむ事ができるのではないだろうか。

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