絵を描くことはよく「言葉には出来ないものを表現したいから」と言われます。絵画と俳句、そして両者を仲立ちする掌編を含む二冊組作品集『コトノハソウシ。』は「論理と感性は相容れない」や「表面と内容はかならずしも一致しない」といった二項対立を詩性で乗り越えてみよう、という試みです。
「ソウシ」は「草子」であったり「相思」であったり「総死」であったりしながら、言葉と絵画のトートロジーを目指します。論理学においてトートロジーは「常に真である論理式」を意味します。「AはAだ」と繰り返すだけでは堂々巡りで何の解決にも繋がらないと思われますが、相容れないと考えられがちな言葉と絵画によるトートロジー的な往復運動が、新しい知覚を更新することを期待して。