宮崎在住(執筆当時)の文筆家、黒木萌さんのエッセイ集。畑を営みながら、月に一度連載していただいたエッセイの1年分(ちょうど季節が一巡りしたところ)を一冊に綴じたものです。土と作物の呼吸、風と太陽のにおい、畑を耕しながらあそぶ萌さんと息子さん、ご友人、ご近所さん、ミミズさんたちの声が聴こえてくるような一冊です。
畑をやることにした。
きっかけは生理不順で婦人科を受診したことだ。血液検査で引っかかり、別の病院の内科を紹介された。今年アラフォー世代に突入する私は、食事を改善し運動しなければ後がない。ものぐさなので、スポーツジムに通ったとしても行かなくなるのが目に見えている。秋にはあんなに大好きだった散歩も冬の寒さで億劫になってしまった。
だから前からやりたかった畑をやることに決めた。年が明けてすぐに友人と市民農園へ見学に行くと、そこは自宅から徒歩20分ほどの場所で、歩いて通うのにちょうどよい距離感だった。往復するだけでも良い運動習慣になりそうだ。
料金も格安で、25平米をなんと年間2000円で借りることができるという。畑の近くで調達できるか心配していた水は、昔ながらのポンプを使って地下水を汲んで使用するらしい。これを見て心が踊った。
「1 市民農園を借りた」 より
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