家庭環境に恵まれず、ひたすら絵を描いて孤独に耐えていた少年時代の奈加あきら。我が身を引き剥がすようにして上京し、さまざまな職業に就き、マネージャーとして女優を連れていった撮影現場で美しい緊縛を目撃した。不世出の緊縛師・濡木痴夢男の縄だった。「これは何だ?」と雷に打たれたような感銘を受け、その日から憑りつかれたように縛りに夢中になり、やがて「奈加スタイル」はヨーロッパやアメリカに熱狂を巻き起こす。
第一回団鬼六賞受賞作家・花房観音が取材を重ね、苦しい人生を縄一本で変えた男のDEEP人生を描ききった。これは緊縛に生きる男の評伝でもあり、脱・毒親の書でもある。(大洋図書/2980円)