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してはいけない祭

  • 南3-4ホール | お-45〜46 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • してはいけないまつり
  • 川渡六文銭、サツキ、嘉藤千代、円件、天宮綺月
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 192ページ
  • 600円
  • 2024/12/1(日)発行


  • お祭りで【してはいけない】ことをしてしまった人々の末路を描く、七編のジャパニーズ・ショートホラーアンソロジーです。


    畜代受/嘉藤 千代
    ーー「そうだ、帰ってきたなら畜生の散歩行ってきてよ」

    三角祭りの知恵授かり/円件
    ーー涼ちゃん、このごろすっかり馬鹿だから、いっそのこと頭がおかしくなっちゃったフリでもしてもらおうかしら。

    ミッド・サマーに憧れて/川渡 六文銭
    ーーそのような崖っぷちに、花々をドレスに編み込み着飾った女が裸足で立っていたのである。

    【因習・廃村・カルトetc】集まれ!オカルトの村ー田舎や村にまつわる怖い話を聞かせてくれー 4/サツキ
    ーー「彼女、本当は死んだんだ。普通の死に方じゃなかった」

    遺伝する禁/天宮 綺月
    ーーその瞬間、手には角材に刺さるのとはまた違う、柔らかい感触を感じた。

    おまつり/円件
    ーーそれが、なんか、なんだろう……爺さんの顔に付いてるのが、気持ち悪くて妙にグロい。


    人のために行動することは気持ちがいい/川渡 六文銭
    ーーわたしにはまるで、空っぽの本殿に御本尊を配置したかのように見えましたよ。



    汚してはいけない、入ってはいけない、喋ってはいけない、持ち出してはいけない――背筋を震わすのは禁を破る快感か、それとも。




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    禁忌とは何か。


    それは、道の端から端までを埋め尽くすように広がる深い水溜まりでございます。 人はこれを見ると避け、迂回し、はたまた長靴などの準備があるものは、意を決して飛び込んでいくことでしょう。 誰に教えられるでもなく、皆身をもって知っているのです。何も考えずに、道だからというだけでそこを押し通ろうとすれば、ただでは済まないだろうということを。 靴底は泥水を吸い上げ、砂混じりの雨水が足首から流れ込み、歩けばくちゃくちゃと嫌な音がするようになり、乾くと酷い臭いを放つようになるでしょう。 誰もが避ける事柄には、それなりの根拠があるものなのです。 そのような経緯でありまして、

    「では、全て壊していただきたい」

    私が指差してそう指示をすると、男は脂汗で濡れた睫を瞬かせて狼狽えました。 覚悟が定まらないようです。成程。私は続けて、彼の手助けを致します。女の髪を掴み、ぶち、ぶちと音を立て毛が根から抜けるのにも関わらず持ち上げます。 「お気持ちは分かりますとも、存分に迷うと宜しい。その時間の代償はあなたの娘さんが支払います。そういう取り決めでございますから」 男は顔を白くして、赤くして、漸く覚悟が決まったようでした。与えていた大鎚を手に腰を落とし、祠の前へと向き直ります。 祠は全部で七宇。本書に収録された禁忌と丁度同じ数でございます。 お後は心置きなく、物語を楽しんで頂けますと幸いです。
    ……オヤ、私としたことが。 申し遅れました。本書は「祭」で「禁忌」を犯すショートホラーアンソロジーでございます。よって収録作品はほぼ例外なく、神の怒りに触れております。 万が一お客様に不幸があってはなりませんので、恐れながら先んじて、ここに手頃な禁忌破りをご用意致しました。
     獲物に怒りの矛先が集まっているこの隙に、お客様は安全に物語をお楽しみくださいませ。



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