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アンソロジー非実在神様

  • 南3-4ホール | あ-48 (小説|純文学)
  • あんそろじーひじつざいかみさま
  • 犬山昇・大木芙沙子・尾八原ジュージ・木古おうみ・紅坂紫・鮭とば子・瀬戸千歳・橋本ライドン
  • 書籍|B6
  • 160ページ
  • 1,200円
  • https://note.com/seto_chitose…
  • 2023/11/11(土)発行
  • 八つの神様、八つの祈り。

    カバー有/オビ付き
    御札デザインのシール付属
    2024.05.18 発行の増刷版です

    犬山 昇「デュッセルドルフの神さま」

    水子おばさんの部屋は、水際の最下層にある。ひび割れが目立つ築四十年のアパートは、入口が四階にある。彼女以外に住人の気配はないし、他の部屋はすべて硝子窓が黒のテープで覆われている。目の前はリゾート再開発に失敗した湖で、最寄りのJR駅から五キロ歩いたところに、その湖上アパートの入口はある。

    大木芙沙子「お正月さん」

    そのひとは、私たちが遊んでいるところへある年ふらっとやってきた。仏間は大人たちがお酒を飲んでいる居間から便所へ通じる廊下の途中にあったから、便所へいくついでに私たちの姿を確認していく大人はいたけれど、そのひとは居間とは逆方向の廊下から歩いてきて、「おじゃまするね」とふすまを開けて、後ろ手でそれを閉めると、すとん、とその場に胡坐をかいた。

    尾八原ジュージ「おまよい様の住む家は」

    おまよい様を見た。黒い子どもの影のようなものが古地川さんの家の門から出てきたと思ったら、ぴゅんと走って角を曲がった。わたしはとっさに追いかけた。遅れて曲がった角の先に、その姿はもうなかった。

    木古おうみ「虚渡しの日」

    虚渡しの神が現れる期間はほぼ五十年毎だ。直近で現れたのは二十一年前だから、後三十年近くは安全だ。出たとしても、神に遭遇する確率は飛行機事故より遥かに低い。

    紅坂 紫「高峰」

    その日、高峰は月見団子をふたつ買ってきた。島で唯一の和菓子屋の名が入ったビニール袋を揺らして、土間に立ったままわたしを呼んだ。気分が良かったのだろう。デジタルノイズのような顔を色とりどりに変えながら大きな声で笑っていた。

    鮭とば子「たいか様」

    たいか様。その漢字には複数の説があるけれど、大抵は『大禍』と『対価』が選ばれる。「大禍を呑めば対価を与える神様」ということがわかりやすいからだ。

    瀬戸千歳「生まれたばかりの泉」

    死者に会える泉のうわさを耳にしたことはあったけれど、それにまつわるアルバイトがあるとは思ってなかったし、まさか受かるとも思っていなかった。どれくらいの倍率かは知らないけれど受かったのは僕だけだった。

    橋本ライドン「らぶらぶ様」

    まったく 信じる力はおそろしい。


    装幀:瀬戸千歳

    書影はオビ付きの場合です。
    デザイン・内容については変更になる場合があります。

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