日が暮れるころになるとしをんの憂鬱は回復する。絶望と平穏を、時間帯ごとで行き来している。それが最近になって、回復の方が追いつかなくなった。しをんは徐々にベッドで過ごす時間が増えている。日ごと生気を失っているゼラニウムのように。
ねえ、シホちゃん。だいすきなシホちゃん。あなたは知らないんだよね。あなたが表現するものに愚かしく不相応に寄ってきた、かつてわたしの心を壊した存在のことなんて。そいつと、未元さんと、笑顔で平然とチェキを撮っていることなんて。
染よだかさんと隣接ブースとなったため、制作した突発コピー本。
「百合」「憂鬱」という共通項を持ちつつも、それぞれ違った読み味をもつ短編を収録。
コピー本でありながら造本にもこだわり、表紙の紙質を変えたり背をトレーシングペーパーで装飾したりなど、可愛く仕上げています。