東京大学教育学研究科、(基礎)教育学コースのメンバーで2023年12月に立ち上げた文芸部(準公式)、販売する雑誌名は「恐るべき大人たち」です。教育学のメンバーが書いておりますが、作品は必ずしも教育に関わるとは限りません。ご了承ください。小説、短歌、エッセイなど、「広い文学」で組み上がった雑誌でございます。
以下、作品と作者のコメントです。
「バーチャル世界の殺人」 作:大屋知穂
【あらすじ】VRの世界で人を殺したら、現実世界の同じ時間・同じ場所でも人が死んでしまった。果たして何が起きているのか?
【コメント】作者です。次号からは子守熊守子に改名しようかと思っています。コアラが好きです。今回掲載していただいた「バーチャル世界の殺人」は、どこで誰が何してたって良いじゃない! をコンセプトにしたライトミステリー。そんなものがミステリーとして成立するのか、ぜひ皆様の目でお確かめください。続きも鋭意執筆中です!(3万字まで来ました!)
「兄弟」、「帰宅短歌」/「そういう王国」 作:沢野柳
【コメント】キャベツとレタスの違いがいまだに分かりません。トンカツと一緒についてくるつやつやとしたアレはキャベツなのだな、ということが辛うじて分かるくらいです。もしかしたらキャベツとレタスの区別がつかなくなる催眠術をずっと昔にかけられたのかもと睨んでいます。夢を見たり、騙し騙されしながらもだんだんと大人らしきものに自分が近づいていくのを感じています。その道すがら、どうにかこうにか書いた小説・短歌です(特に短歌はえいやと気合いで書きました)。騙し騙され楽しめる作品になっていたらとても嬉しいです。
「穴あきファンタジー」、「鉄の惑星」、「平和日和」 作:縞あつし
【コメント】私は以前、放課後の小学校で、子どもたちの見守りをする仕事をしていたことがある。ある日のことだった。ある子が、言ったのだ。「そりゃ...死にたいよ!」。
その子は当時、小学二年生の女の子。その歳ながらに、その子の親は二度離婚していた。その子と私と、もう二人、同学年の女の子がいて、この四人で時間を過ごすことが多かった。当時はすぐに怒鳴る職員がいて、この子たちはいろいろなことを考え出しては、その職員に怒鳴られるということがよくあった。そんなある日、その子はそう言ったのだ。たまたま前日の金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』をやっていたらしく、あんな世界に行けるなら行きたい、彼女がそう言った後のことだったと思う。その少し前に一人の職員に怒鳴られて、三人の子たちがみんな、泣いたり叫んだりした後のことだったと思う。
この子たちは確かに、その歳ながらにそれぞれ背景があったけれど、この子たちのような事情がなくとも、同じように生きることと向き合わざるを得ない時が(万人に)来うる...それが現代の特徴だと思う。少なくとも、私が関わってきた幾人かは、そうだった。
「穴あきファンタジー」、「鉄の惑星」はそうしたことを描いた作品である。「鉄の惑星」はより、教育現場に近い視点で書いている。
「平和日和」は平和を巡るショートショートのような作品(いずれも2017年や2019年に書いたもので、当時からほとんど変えないまま、掲載することにした)。傲慢かもしれないけれど、私の作品を通して、誰かに何かが残ることを願っている。
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