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[詩集] 世界はなにひとつ、変わっていなかった

  • 第二展示場 Fホール | せ-66 (詩歌|現代詩・散文詩)
  • ししゅう せかいはなにひとつ、かわっていなかった
  • ゆんか
  • 書籍|B6
  • 50ページ
  • 400円
  • 2024/4/5(金)発行

  • 世界とわたしは断絶している。いや、あなたとわたしは断絶している。だから、わたしはいつも寂しい。愛するひとがいても、愛するものがあっても、誰かを愛していないときでさえ、変わらずそこにある孤独を、どうにかしたい。そう思ったわたしは詩を書きはじめた。ほかならぬあなたの詩を。生まれた詩は、わたしだけでは生みだせないナニカになった。ああ、よかった、あなたはちゃんと存在している。

    わたしの詩と、わたしとあなたの詩のかけらをあつめてつくった詩集です。
    ゆんか

    もくじ


    風車
    寂しいひと
    遺言
    雨の日
    亡き蚊の詩
    inner voice
    ジャングルジム
    2進法
    とうめいなきみ



    untitled
    ずっと
    承認欲求
    いなく ない
    ぼくのせい
    untitled
    たましいの傷
    きゅいーん

    untitled
    プレゼン
    想い人

    ーーーーーーーーーーー試し読みーーーーーーーーーーーー

    雨の日

    雨の日は
    傘で顔を覆えるから好き
    隠された私の瞳は
    誰かを睨めつけることも
    きみに笑いかけることも
    静かに閉ざすことも できるから

    雑踏の中に 私だけの居場所ができたようで
    雨の日が好き

    雨の日は
    音が生まれているから好き
    少女の悲鳴も
    母の呻き声も
    きみの叫びも
    隠されて、聴こえないから

    世界に平和が訪れたようで
    雨の日が好き

     ーーーーーーー



    飼い猫のヌゥがいなくなったとき
    わたしは3歳でした
    もうぬれることのないおトイレシートを見ながら
    ふと、友だちが一生できないことを知りました

    死ぬことを悟ったとき、ヌゥはどう思ったんだろう
    やっと自由になれる、わたしの愛から自由になれる
    そう思ったかもしれない

    ヌゥは窓の外を見るのが好きだったんです
    わたしはそんなヌゥを眺めるのが好きだった
    背中の一番長い毛を撫ぜると、お腹をみせて、喉の奥を鳴らすのですが

    グルゴーッグググ
    もう聞けないんだ
    唇をかみしめていたわたしを
    父が抱き上げて滑り台のうえに乗せてくれました

    ヌゥと近くなったのか遠くなったのか
    よくわからずに
    わたしは怖くなって黄色い滑り台を
    一気にすべり降り、
    もうそのあとのことは覚えていません

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