病院×ハピエン!
皆さんは、「病院」と聞くと何を思い浮かべますか?
仄暗い場所? 薬品の匂い? 医者が怖い?なるほど、それも一つの側面でしょう。しかし、病院にはもっと重要な役目があります。病院__それは、人の命が救われる場所。即ち、ハッピーエンドに相応しい最高の舞台です!10人の作家が、病院を舞台にした「誰かを幸福にする物語」を処方します。
病院が好きな方はもちろん、ハッピーエンドを求めている方もお楽しみいただける一冊です。
【おまけ付き】
ご購入者には、薬袋風のミニ紙袋と、錠剤風栞をプレゼント!
当日は白衣を纏ってお待ちしております。
【各話紹介】
『笑顔に触れて』
作者:ぴょん
__私の勤め先は、今日も阿鼻叫喚の声が響き渡っていた。
とある病院の調理員として働く「私」は、ご飯を通して患者さんと関わっていく。
思わず入院食が食べたくなるような飯テロ描写と、
トップバッターを務めるに相応しい王道ハッピーエンドをお楽しみください。
『幻想痛』瑞凪スイレン
幻想痛__それは「幻肢痛」とは違い、元から無いものが痛むという特徴を持つ病のこと。
肩の幻想痛に悩まされるフリーラーターの主人公は、
ある日幻想痛の原因及び治療法が確立したという病院に招かれ……
架空の病に対するリアルな描写と非現実感が見事に絡み合う中で導き出される、
予想不可能な結末をご覧ください。
『匿名患者』作者:無月彩葉
病院で働く臨床心理士の主人公が向き合うのは、自分の名前を明かそうとしない正体不明の患者。
食事すらまともに摂らない彼女にどう接するべきか悩んでいるうちに、
彼女が病院から姿を消してしまい……?
病院は少女にとっての救いとなり得るのか。
病院好きによる病院描写もお楽しみください。
『終着点の行方』作者:東雲
臨床検査技師の鳴海は、
一日二十件から三十件行われる検査を通じて、日々患者の身体状況を調べている。
自身の経験に基づいた検体検査のリアルな描写と、病院ならではの緊張感。
そして迎えるハッピーエンドとの向き合い方。
シンプルかつ味わい深い一作です。
『パノプテイコンの伝信』作者:眞崎十一
精神病院に入院するF氏は、教養のある青年ではあるものの重度の妄想症を患っている。
彼はある手法を使ってJ女史との密会を楽しんでいたが、
実は病室の構造上それは不可能なことであり……
近代文学のような文体で紡がれる独特な世界観にぜひ取り込まれてください。
『その入院をハッピーエンドと呼べるなら』作者:ダーハナ
介護職の無理な夜勤生活がたたり入院をすることになった主人公。
最初は入院生活を退屈なものだと捉えていたが、
ある女性の登場によって物語は一気に明るい方向へと進みだす。
まさにタイトルの通り、入院=ハッピーエンドと呼ぶに相応しい喜劇です。
『恋の咳止めを乗り越えて』作者:辰
病院で、ギャグで、ハッピーエンド!?
何故か思考が思わぬ方向へ飛躍する素っ頓狂な主人公は、
病院へ向かうだけでも一波乱、二波乱巻き起こす!
独特な語り口調で朗々と紡がれる言葉に圧倒されているうちに、
予想なんてできない衝撃のラストに打ちのめされる作品です。
『自分新聞』作者:椿ツバサ
小学校で出された「自分新聞」という課題を終わらせるため、
かつて自分の母親が入院していた病院へと足を運んだ胡桃。
母親を知る看護師に案内されながら、その面影を辿る胡桃が知ることになるのは、
彼女の選択と娘に託した想い。
病院が持つ一つの役割にもご注目ください。
『命の恩人』作者:田畑農耕地
入院生活を送る「わたし」が出会ったのは、退院したくないと呟く奇妙な女性。
実は、彼女と「わたし」の間には一つの繋がりがあって……
病院という狭い舞台装置を上手く扱った巧みな文章力で綴られる、
視点と時間軸の切り替えに目を奪われます。
『オメラスに歩み寄る人々』作者:たけぞう
「幸運」という異能を持つヒーロー「オメラス」こと幸村陽太は、世界一幸せな男である。
しかし、公認心理士の向坂は彼がだすサインを見逃さない。
彼が抱える悲哀と、それに歩み寄る向坂の一幕。
幸せとは一体何なのか。本当に彼は幸せなのか。
病院アンソロジーの最後を飾るに相応しい作品です。