A6(文庫)/小説・22P
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ある男がこう言った。
「森では鰊の燻製がどのくらいになるのかい?」と。
だから俺はこう答えてやった。
「海でキイチゴがなるのと同じくらい」って。
クラゲの骨をへし折って、それを治す薬がないのかと
女中に尋ねたら、女中はこう答えた。
「夏に降る雪を手であつめて水で固めてお湯で伸ばして
石に止まっているカラスに投げつければ治ります」と。
不思議で、おかしくて、美しくて、ばかばかしくて、
怒りたくて、笑いたくて、泣きたくなって、愛おしくなる
そういう物語を求めるならば寄っておいで。
常識で考えられないことばかりが起きるかもしれない。
ま……、ここのあらすじは全く役に立たないんやけどね。
そこのところよしなに。サア、席に着いて。
(劇場支配人・景壱)
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