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くわしくは第三十三回文学フリマ東京公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

猫屋奇譚 吉兆

  • キ-32 (小説|妖怪・もののけ)
  • ねこやきたん きっちょう
  • 大河内一樹
  • 書籍|A5
  • 60ページ
  • 400円
  • 2021/1/25(月)発行
  • 短編集5話収録 WEB再録、過去に出した本から大幅改変、書き下ろしなど
    正月から3月にかけての話でまとめました。
    ・さいころあそび吉兆編
    ・夜鷹の夢 試し読みアップ中。加筆修正して本に入れます。
    ・雪消月 昔に本に収録したのを初めの部分だけを残して別の話に
    ・伊吹 昔に本に収録したのを加筆修正
    ・弥生 書き下ろし

    さいころ遊び 吉兆編 
     壱
    二〇二一年正月。東京随一を誇る陰陽師一族竹橋家。
    中学三年生にして陰陽師であり当主である俺は、本宅のある都内ではなく別宅として建てた多摩の広大な土地に建つ屋敷の自室で、のんびりと正月を過ごしていた。
    コンコン 自室のドアを控えめに叩く音。
    「入って」
    「失礼します。桜様、そろそろお客人が到着なさいます。結界を開けて置いてほしいとの事です」
    式が伝えにきた。
    「結界なんか関係なく入って来るだろう」
    「ですが今年は東京陰陽師組合の上条様がこちらで新年の舞を致したいとあちらこちらに札を貼り、それはもう私達でさえ外に出るのが困難なほどで」
    「そうだった。開けて置く」
    「お願い致します」
    式が下がる。だが別に開けなくてもいいだろう。こんな事を云って寄越したのは、何の苦労もなく結界を潜り抜けて来たら、それこそ上条さんら組合の面々が怒るに違いないからだ。

    「俺も着替えるか」
    ベッドで寝転がっていた俺はそろそろ用意をするかと立ち上がった。窓から見える庭の木々が僅かに揺らいでいる。もうまもなく結界をこじ開け到着する。そういえば昨晩の電話で俺が喜びそうな双六を持って行くとあった。どうにも俺がまだ子供に見えるらしい。
    「坊ちゃま、木之本様が到着しました」
    次は東雲がノックなど無く部屋のドアを開けて顔を出す。割烹着を着込み、ほんのり煮物のいい匂いを漂わせている。その後ろから件(くだん)の木之本さんが顔を出した。
    「桜、双六を持って来たぞ」
    「いらっしゃい。じゃあ、茶の間に行こうか」
    俺は木之本さんの手に双六盤をちらりと見た。

    本文冒頭抜粋

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